埼玉県春日部市の鍼灸院 はり・きゅう はりも

〒344-0058 埼玉県春日部市栄町1-279
Tel:048-763-5323
しびれ

「しびれ」の回復に知っておきたい3要素

しびれに対する鍼灸は早いほど良いです

 

「しびれ」は「時間」「部位」「強さ」が重要!!

 

当院で「痛み」の次に多い訴えは、「しびれ」です。

頸が原因で腕や手の痛みやしびれがおこる「頸椎症性神経根症」

手首のトンネルで神経を絞めつける「手根管症候群」

腰やお尻が原因で下肢に症状があらわれる「変形性腰椎症」や
「腰椎椎間板ヘルニア」などによる「坐骨神経痛」などがあります。

同じ病名でもその「病態」、いわゆる病気の状態によって
経過が変わります。

発症してからの「時間」
痛みやしびれのある「部位」
そしてその「強さ」が施術回数や経過に大きく影響します。

 

しびれが発症してからの「時間」

発症してからの「時間」は、鍼灸施術をする上で
とても重要な要素です。

神経症状については、施術は早いほど経過が良いです。

とくに手足の末端のしびれは、発症1か月、できれば2か月以内が
ひとつの目安です。

1.2か月過ぎた後だと良くならないというわけではありませんが、
指先に少ししびれが残ることがあり、症状の完治とまでは
いかないことがあります。

 

痛みやしびれのある「部位」

痛みやしびれのある「部位」は、病態の程度を判断するのに大切です。

「頸椎症性神経根症」の場合、頸から腕を通り、指先まですべての
部位に症状がある場合が、程度としては重い状態です。

また肘から下には症状はなく、肘から頸までの場合、
程度は比較的軽めです。

症状のある範囲が少なければ少ないほど、そして末端まで
症状が進んでない状態が早い回復につながります。

指のしびれは、5本指のどこがしびれているかがわかると、
原因部位が特定できます。

「しびれ」は見てわかるものではなく、患者さんが感じて正確に
伝えていただけると、より精度の高い治療につながります。

実際に「手」の絵をかいて、しびれているところを色で
ぬっていただく診察法があるくらいです。

 

痛みやしびれの「強さ」

痛みやしびれの「強さ」は重症度に比例します。

気づいたらしびれている程度なのか、仕事にならないくらい
しびれているのかは、大きな違いです。

しびれが「強い」ほど、施術回数は必要となります。

また「痛み」と「しびれ」が同時にでている場合は、先に「痛み」が軽減し、
その後「しびれ」が軽減していく経過をたどることがほとんどです。

 

まとめ

  • 「しびれ」は発症から時間が経過するほど、回復に時間を要します
  • 「しびれ」はその「部位」が少なく、末端に到達してないほうが軽度です
  • 「しびれ」は程度が「弱い」ほうが早く回復します

 

今回は「頸椎症性神経根症」を例に、「しびれ」の経過について記しました。 

具体的な症例は、「頸、肩、腕、指の痛み、しびれ-当院の鍼灸治療」
参考にしてください。

当院では「しびれ」の患者さんには以上の要素を考慮して、
施術頻度と回数の提案をしています。

「しびれ」は脳や脊髄が原因の中枢性のものがありますが、
それらについては鍼灸が第一選択ではありません。

また腰部脊柱管狭窄症といった他の疾患から「しびれ」を
きたすものが多々あります。

それらについては今回の内容とはまた違ったものとなります。

 

しびれの経過と鍼の刺激量(頸椎症性神経根症)

手のしびれ

 

しびれの経過と刺激量(頸椎症性神経根症)

 

 「はり(鍼)を見せてもらっていいですか?」と
初診時の患者さんに聞かれることがあります。

好奇心によるものと、自分が治療をうけるものを見ておきたいなど
様々な理由がおありかと思います。

鍼は種類がたくさんあり、患者さんの状態や体質に応じて使い分けています。

今回は首からくる手のしびれ(頸椎症性神経根症)の症例から、
鍼の刺激量について紹介いたします。

 
*下記症例は患者さん個人が特定されないよう内容に変更を加えております
 
 
患者:40代、男性
主訴:右肩、腕、上腕のしびれ
 
病歴
 
2週間前から、右の母指、示指が強弱はあるものの常に
しびれるようになった。
首、肩こりがつらい。
 
10年くらい前に、3か月間ほど寝違い症状が続き、鍼治療に
通ったことがあったが
よくならなかった。
 
今回は痛み止めの薬や、血液の流れを良くする薬を処方されたが
効かなかった。マッサージや電気治療も受けた。
 
痛みはほとんどないが、しびれがずっとある。肩こりはあるが、
上肢のだるさはない。
握力は落ちていない。
 
仕事で長時間の運転をするが、車を停める時に後ろが見づらい。
腰が重だるく感じる。
 
食欲は正常。睡眠もとれている。
今まで大きな病気はしていない。
 
身体診察
 
右第5.6頸椎椎間関節から右第4.5胸椎椎間関節の圧迫により上肢に
しびれが誘発される。

ほぼ同部位に圧痛、硬結が認められる。
発赤、熱感はない。
 
首を後ろに倒すと、つまり感がある。左より、右のほうが回しずらい。
ルーステスト(-)
 
首の動きでしびれが誘発されることと、上肢のだるさなどがないことから、
「頸椎症性神経根症」と判断
 
初診
 
右後頚部、側頸部を中心に治療。
第4.5.6頸椎椎間関節、扶突にステンレス鍼40㎜-20号で20分置鍼。
合谷、手三里なども加える。
就寝時に首にタオルを軽く巻くことを伝える。
 
 
2診(14日目)
前回の治療後にねむけ、だるさがでる。
しびれは30%減。今回は上肢全体にだるさがあり。
ねむけ、だるさなどが出ていることから、鍼の刺激量を少し弱めに変更。
30㎜-18号の鍼を使う。はりのひびきをなるべく出さないように行う。
 
 
3診(18日目)
前回の治療後だるさはない。しびれは徐々に少なくなっている。
右第5.6頸椎椎間関節の圧迫によるしびれの誘発はないが、
第7頸椎椎間関節から第4.5胸椎椎間関節までの圧迫による
上肢のしびれは残存。

胸椎椎間関節に斜刺で、切皮程度の浅刺で置鍼を加える。
 
 
4診(30日目)
手のしびれは残り1%ほどとのこと。上肢のしびれについての治療は終了。
 
首が原因で腕や手指にしびれがおきる「頸椎症性神経根症」に対する
鍼治療では、
しびれの範囲や程度もありますが、治療回数を
平均3-5回位を当院ではみています。
 
1.2回で終わるかたもおられますが、今回のように指先まで
しびれがある場合は1.2回では
難しい場合があります。
 
また、最初の1.2回目より、3.4回目にぐっとしびれの程度が
減る印象があります。
そのような経過をたどることが多いことから、初診に患者さんには
そのように説明をしています。
 
この患者さんはしびれの範囲が広いことなどから「頸椎症性神経根症」
としては軽度ではありません。

鍼の刺激なのか、初診時の緊張のせいかは定かではないこともありますが、
治療後にだるさやねむけがありました。

 
初診時は弱い刺激を心がけていますが、それでもこの患者さんには
少し刺激量が多かったかもしれません。
しびれが30%減っていることから経過は順調と判断をしました。

そのため、2診目以降から鍼の種類を少し弱いものに変更しています。

弱いものに変更しても、3.4回目以降の経過は順調だったように思えます。
 
鍼は様々な種類があり、長さや太さ、時間を変更することで刺激量を調整できます。
また、鍼の加工も日々進化しており、鍼の先端が少し丸みを帯びていて、
刺激感がかなり少なくなったものがでてきています。
 
鍼が刺さったことに気づかない時もある位なので、当院でも適宜使用しています。
 
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鍼治療を初めて受ける方は不安も多く、また刺激に対して敏感な患者さんが
増える傾向があります。

一方で、鍼のひびく独特な刺激を好む方には、必要な範囲で対応はしています。
 
いずれにしても患者さんの状態をよく診ることで、症状の改善に必要かつ、
負担の少ない適切な刺激量を見極めることに変わりはありません。
 
今回のように軽度ではない症状でも、経過を観察していけば、ソフトな治療で
十分であることがわかります。
 
この患者さんは全般的に刺激量が少なくても効果が十分に得られた体質の方でした。
その後は、弱いせんねん灸や、パイオネックス(置き鍼)で日々の体調管理ができています。