「しびれ」の回復に知っておきたい3要素

「しびれ」は「時間」「部位」「強さ」が重要!!

当院で「痛み」の次に多い訴えは、「しびれ」です。
頸が原因で腕や手の痛みやしびれがおこる「頸椎症性神経根症」
手首のトンネルで神経を絞めつける「手根管症候群」

腰やお尻が原因で下肢に症状があらわれる「変形性腰椎症」や
「腰椎椎間板ヘルニア」などによる「坐骨神経痛」などがあります。
同じ病名でもその「病態」、いわゆる病気の状態によって経過が変わります。

発症してからの「時間」
痛みやしびれのある「部位」
そしてその「強さ」が施術回数や経過に大きく影響します。

しびれが発症してからの「時間」

発症してからの「時間」は、鍼灸施術をする上で
とても重要な要素です。神経症状については、施術は早いほど経過が良いです。

とくに手足の末端のしびれは、発症1か月、できれば2か月以内が
ひとつの目安です。1.2か月過ぎた後だと良くならないというわけではありませんが、
指先に少ししびれが残ることがあり、症状の完治とまではいかないことがあります。

痛みやしびれのある「部位」

痛みやしびれのある「部位」は、病態の程度を判断するのに大切です。
「頸椎症性神経根症」の場合、頸から腕を通り、指先まですべての
部位に症状がある場合が、程度としては重い状態です。

また肘から下には症状はなく、肘から頸までの場合、
程度は比較的軽めです。症状のある範囲が少なければ少ないほど、そして末端まで症状が進んでない状態が早い回復につながります。

指のしびれは、5本指のどこがしびれているかがわかると、
原因部位が特定できます。

「しびれ」は見てわかるものではなく、患者さんが感じて正確に伝えていただけると、より精度の高い治療につながります。実際に「手」の絵をかいて、しびれているところを色でぬっていただく診察法があるくらいです。

痛みやしびれの「強さ」

痛みやしびれの「強さ」は重症度に比例します。気づいたらしびれている程度なのか、仕事にならないくらい
しびれているのかは、大きな違いです。しびれが「強い」ほど、施術回数は必要となります。また「痛み」と「しびれ」が同時にでている場合は、先に「痛み」が軽減し、その後「しびれ」が軽減していく経過をたどることがほとんどです。

まとめ

  • 「しびれ」は発症から時間が経過するほど、回復に時間を要します
  • 「しびれ」はその「部位」が少なく、末端に到達してないほうが軽度です
  • 「しびれ」は程度が「弱い」ほうが早く回復します

今回は「頸椎症性神経根症」を例に、「しびれ」の経過について記しました。 

具体的な症例は、「頸、肩、腕、指の痛み、しびれ-当院の鍼灸治療」
参考にしてください。

当院では「しびれ」の患者さんには以上の要素を考慮して、
施術頻度と回数の提案をしています。「しびれ」は脳や脊髄が原因の中枢性のものがありますが、それらについては鍼灸が第一選択ではありません。

また腰部脊柱管狭窄症といった他の疾患から「しびれ」をきたすものが多々あります。それらについては今回の内容とはまた違ったものとなります。

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