ばね指について
「ばね指」は指の曲げ伸ばしの際に弾くように「パチン」となり、痛みや不快感を伴います。「パチン」となる前に指の付け根の「痛み」「腫れ」「引っかかり感」などの症状が先にでてきます。
肘から伸びた「筋肉」が手首あたりで「腱」という組織に変わり、指の動きを行っています。普段は指を動かすたびに「腱」は「腱鞘」というトンネルを問題なく通過しています。
しかしながら、指を使いすぎると「腱」に「炎症」がおきます。
「腱」が腫れたり、分厚くなることで、「腱鞘」を通過するときに引っかかりがあり、通過しきった時に「パチン」となります
「ばね指」の一番の原因は「指の使いすぎ」です、また妊娠、出産、更年期、糖尿病、人工透析なども関係するときもあります。
ばね指になる段階
- 指の痛み、腫れ、熱感、使いすぎた時に痛み
- 指を動かしたときに痛み、ひっかかり感
- 「パチン」となる、弾く感じ、痛みの増悪 (ばね指)
- 指を動かしたくない、固まって動かせない
1.2の段階は「腱」に炎症が起きている段階、3は「ばね指」になった段階、
4は「ばね指」が進行した段階です。
病院では4の段階では手術の対象にしているようです。鍼灸院でも4の段階の患者さんに出会うことはあまりありません。手根管症候群・腱鞘炎などと合併していることがあります。
ばね指に対する鍼灸施術と予防
当院では指そのものに鍼をすることはあまり多くありません。電気ていしんと指圧で指・掌・手の甲・前腕のむくみと緊張をまずとることから始めます。
ばね指の患者さんの前腕は全体的に緊張が強く、硬い箇所がいくつかあります。
そういった場所を押さえながら、ばね症状のある指を動かしていただき、確認を進めていくと、ばね症状が弱くなる、または消失する点を見つけることができる場合があります。
ばね指を起こしている、指そのものではなく、指を動かす前腕の筋肉(または筋膜)に問題があるときがあります。
その点を時間をかけて、鍼や電気温灸器などで柔らかくするとばね症状の緩和に近づきます。
鍼は前腕の筋肉でも浅い層のものではなく、深部の層の筋肉に原因があるときに効果的な印象があります。その他には、指を動かす腕の筋肉に加え、肩や背中などの緊張を緩め、指だけに負担がかからないことを意識しています。
指への負担は、指を使う「回数」「強度」「患者さんの状態(筋肉、関節、腱など)」で決まります。
普段の生活で、どのような動作が指に負担をかけているのかを確認し、ストレッチや、体の使い方、日常生活の工夫なども提案しています。
数回拝見して改善傾向にないときは、当院での施術を中断することもあります。