埼玉県春日部市の鍼灸院 はり・きゅう はりも

〒344-0058 埼玉県春日部市栄町1-279
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コミュニケーション

患者さんが話す病歴が大切です

 

病歴

 

患者さんが話す病歴が大切です

鍼灸師は患者さんがお見えになった時、その問題を解決するために
様々なことをたずねます。

 

「病歴」は患者さんの病の歴史です。
どのようなきっかけで病気が始まり、
受診にいたるまでのあらゆることを指します。

「病歴」を丁寧に聴くことのメリットは患者さんと医療職双方にあります。

 

患者さんの痛みの表現とその理解がもたらすメリット

患者さんが話す病歴の大切さを示す新聞記事が以前にありました。

その中では、

 

・痛みの様子を表現するのにズキズキ、ガンガンといった擬態語を
 患者さん自身が無意識に 疾患別に使い分けている

・擬態語を使うと、患者さん自身が上手く伝えられ、
 医療者に理解をされたと実感できる

・その結果、医療者-患者さんのコミュニケーションに良い影響があり、
 安心感がもたらせられる可能性がある

 

この報告から、患者さんの痛み表現と医療者による理解が、
診断やコミュニケーション、患者さんの満足度に貢献すると考えられます。

この痛み表現は、患者さん自身が話す病歴」ではじめて医療者に伝わります。

どんな検査機器も、身体診察もこの表現を把握することはできません。

医療者が引き出して、患者さんが話してくれてはじめて明らかになります。

もちろん痛みの性状だけでなく、場所、どうしたら痛みが強くなるか、
軽くなるか、強くなっているか、弱くなっているか、
痛みに伴う他の症状があるのかどうかなど聞くべきことはたくさんあります。

総合的に判断するためにもやはり患者さんが話す内容、
表現は非常に重要だと日々実感しています。


患者さんが話す病歴が診断精度をあげる

また違う研究では画像診断や血液検査などの検査ではなく、

患者さんが話す病歴でその病気の診断の8割が可能」
といった報告があります。

「患者さんが話す病歴」によって、医療者-患者間の
コミュニケーションの満足度が上がり、診断の精度にも
貢献している点が、大切である理由となります。

わたしたち鍼灸師は、患者さんの状態を把握するために、
様々な手段・方法を用いてきました。

古くから、東洋医学特有の手段である「脈診」(脈をみる診断方法)、
「腹診」(お腹をみる診断方法)などが発展してきました。

これらの手段のメリットもある一方で、鍼灸師によって判断が
異なる点があります。

また、鍼灸師側から患者さんを一方的に診る手段でもあります。

しかしながら、「患者さんが話す病歴」を聴く行為は患者さんと
双方向の作業であり、上記のようなメリットがあります。

患者さんから病歴をうまく引き出し、病態把握や診断に生かすことが
良い施術につながると考えています。

 

 

「ナラティヴ・コロキウム」に参加して

「ナラティヴ・コロキウム」に参加して

 

先日「ナラティヴ・コロキウム」というシンポジウムに参加してきました。

ナラティブとは「物語・対話」、コロキウムは「会議、討論、対話シンポジウム」を意味します。このシンポジウムは医療だけにとどまらず、看護、福祉、心理、行政、研究職に従事する多彩な職種、または患者さんなど参加対象が広いものでした。それぞれの現場で抱える問題を「ナラティヴ」という視点を通じて考えようという主旨で行われました。医療ではナラティヴは「ナラティヴ・ベイスト・メディスン:物語と対話に基づく医療」などどして使われています。

今回、私は以下のような理由で参加をいたしました。

鍼灸治療院を受診される患者さんの理由・背景・希望が多彩である現状があります。特に初めて鍼灸治療院を受診される方は、何かしらの不安・不満などの問題を抱えています。

例えば「原因がわからない」「わたしは〇〇という病気だと思うが、そのことを伝えられない、伝えてもわかってくれない」「他の医療機関で説明された内容に納得がいかない」など様々です。

また複数の医療機関を受診され、既に診察や検査を終え、重篤な病気などはないことが確認されて、最終的にたどり着くのが鍼灸治療院であることもあります。

特にこのような患者さんの問題解決のために「ナラティヴ」という視点を学ぶことが主な参加目的でした。その内容の全てを書き記すことができるほど、単純なものではありませんでしたが、まずは参加してよかったというのが最初の感想です。

そのうえで、「ナラティヴ」の視点を導入すると、様々な変化・効果があることを知りました。

  • 患者さんとの良質な「対話」そのものが治療効果につながること
  • 患者さんと良好な関係を作ることにつながり、その結果問題解決につながること
  • 患者さんの「語り」だけでなく、語る患者さん自身を尊重する姿勢が大切であること
  • 患者さんの変化だけでなく、医療者にもさまざまなことを真摯に考えさせるきっかけを作ること
  • ナラティヴ・ベイスト・メディスンは治療法であり、コミュニケーションの形式であり、姿勢・態度などすべてを含むものであること

それぞれの職種・領域で目的に応じたナラティヴ・アプローチを実践するための内容でした。他の医療職・対人援助職の方々がどのようにして患者さんにアプローチしているかもよくわかり、意見交換も大変有意義でした。

鍼やお灸をすることは専門職として大切なことですが、それ以外にも鍼灸師にできる役割があると実感しました。具体的に語りを促進する技法やスタンスなど、奥深いナラティヴの領域を今後も継続的に追っていきたいと思います。

 

参考資料

・「ナラエビ医療学講座・物語と科学との統合を目指して」 斉藤清二 著 北大路書房 刊

・「ナラティブ・ベイスト・メディスンの実践」 斎藤清二 ・岸本寛史 著  金剛出版 刊

 

治療頻度について

治療頻度について

 

 鍼灸治療院を訪れる患者さんの訴えは様々です。それによって必要な治療頻度は自ずと異なってきます。

患者さんの症状がどの程度なのか、初診時の治療でどの程度軽減されているのか、また良い状態がどれくらい持続しているかなどを把握し、治療の度に患者さんと確認しながら治療頻度を決めています。

 

例えば、「痛み」が主な訴えの患者さんの場合

・痛みが半分になるまでは、1週間以内に受診いただくことをお勧めしています。

・痛みが半分以下であれば、10日から2週間程度様子をみます。

・痛みが残り1.2割であれば一旦終了、予防的な段階としています。


あくまで「痛み」の程度に対してのひとつの目安です。当院の見通しをお伝えしながら、患者さんのご希望や事情とすり合わせをしていきます。生活上で注意していただくことや、自己ケアの方法、仕事場などでの症状部位への負担などを考慮しながら、良い状態を維持できるように考えています。

「痛み」以外にも、ゴルフのスイングなどの「動きの質」や、散歩しているときの「姿勢」、職業柄負担はさけられないが患者さん自身がコントロールできる「状態の維持」など患者さんの目的に沿って、治療内容・頻度が決まっていきます。

「よくあるご質問:治療回数の目安はどれくらいですか?」も参考になさってください。