「のどのつまり」と「咽喉頭異常感症」

「のどのつまり」と「咽喉頭異常感症」

「のどがつまる」「飲み込みにくい」という訴えで
時折、お問い合わせをいただきます。

特に今年は例年より多く感じます。

お電話で患者さんから
「咽喉頭異常感症」「ヒステリー球」「梅核気」
といった専門用語が出ることにも驚きます。

「咽喉頭異常感症」については漢方薬の「ツムラ」の
ホームページでは以下のように説明されています。

咽喉頭異常感症(いんこうとういじょうかんしょう)とは、
「のどがつかえる」「しめつけられる」「何かできている」など、
さまざまな言葉で表わされるのどの違和感、異常感覚のこと。

のどの過敏性や貧血、自律神経失調症などが原因で起こる場合のほか、
がんに対する不安、不安神経症、うつ病など心因的なもの(病気)が
関係している場合などがあります。

治療は、原因と考えられる問題が存在するときは、
そちらを優先させて治療していきます。漢方薬もよく用いられます。
心因的な要因が強いときには、不安を取り除く心理療法、
薬物治療をしていくこともあります。

出典:「咽喉頭異常感症」 漢方のツムラ

本当に「咽喉頭異常感症」かは病院を受診しないとわかりません。

「のどのつまり」:まずは病院を受診しましょう

「のどがつまる」「飲み込みにくい」=「咽喉頭異常感症」とは限りません。
頻度も高くありません。

病院を受診する目的はいくつかあります。

・「のどがつまる」原因を調べる
・「原因」に応じた治療を受ける
・ 重篤な疾患の見逃しを防ぐ

「のどのつまりは何科を受診するのでしょうか」

「のどのつまり」「喉の違和感」「飲み込みにくさ」といった
病歴だけでは「めまい」のように、多種多様な疾患が想定されます。

少なくとも下記のような病気が想定されます。

・逆流性食道炎
・副鼻腔炎
・睡眠時無呼吸症候群
・咽頭炎
・甲状腺疾患
・悪性腫瘍
・心疾患
・うつ病など

そのため、「とりあえず病院に行ってください」だと
患者さんは何科を受診するべきなのか難しいところだと思います。

「総合診療科」が近隣にあるとも限りません。

上記疾患の可能性を高める特異的な病歴を追加で聴き、
可能性が最も高い科を受診するよう促しています。

・逆流性食道炎    →胸やけ、朝方悪くなる、口の中が苦い
・副鼻腔炎      →鼻炎、後鼻漏、頬・前頭部の痛み
・睡眠時無呼吸症候群 →いびき、日中の耐え難い眠気
・咽頭炎       →喫煙歴
・甲状腺疾患     →女性、動悸、頻脈など
・悪性腫瘍      →嚥下時の痛み、喫煙歴、飲酒歴、家族歴、既往歴
・心疾患       →労作による悪化、胸痛、冷や汗、動悸
・うつ病など     →興味の消失、憂鬱な気分が2週間持続

この情報だけでは十分ではありませんが、病院で診察を受け、
必要な検査をしていただきます。

当院で「のどのつまり」を訴えられた事例

①「咽喉頭異常感症」の既往歴を持つ50代男性の「喉の違和感」


喉の違和感があり、仕事によるストレス、疲労などが重なる状況。
「咽喉頭異常感症」の既往歴あり。

今回も「咽喉頭異常感症」を想定されていました。

胸やけ、口の中の苦み、嚥下時の痛みの有無、鼻炎の有無など
いくつかの病歴を確認いたしました。

また胃内視鏡検査を受けてからしばらく時間がたっていたこともあり、
消化器内科の受診と胃内視鏡検査の相談をしてみるよう提案いたしました。

患者さん自身も胃内視鏡検査のことは、頭の隅にあったようなので
スムーズに受診にいたりました。

その結果、食道上部に炎症が見られ、内服薬により1週間で変化があり、
20日ほどで喉の違和感は消失しました。

*以前と同じ症状と感じても、改めて診察・検査を受ける大切さを確認できました。

②「咽喉頭異常感症」と診断された40代男性の「のどのつまり感」


すでに「耳鼻咽喉科」で「咽喉頭異常感症」と診断を受け、
「半夏厚朴湯」「抗不安薬」を服用するも改善せず。
様々な治療を試しておられました。

気分も落ち込み気味で、仕事も手につかず、趣味を楽しむことができていませんでした。

当院開業まもないころ、数回診させていただきましたが、症状緩和に至りませんでした。

1年後、別の症状で来院された際に伺ったところ、
「あれから自然に治りました」とのことでした。

③耳鼻咽喉科・口腔外科受診により「異常なし」と診断された
 40代女性の「喉のつまり」「のみこみにくさ」

【病歴】
2週間前からの「喉のつまり」「のみこみがしづらい」
朝方は楽で、夕方に悪化。特に夕食時につまる。

口腔外科受診  顎関節のレントゲンは正常。
耳鼻咽喉科受診 喉頭ファイバーで異常なし。

漢方薬「半夏厚朴湯」を処方される。
服用により症状は半分に減る。

まだ半分程度症状が残るため、当院を受診。

のどのつまりを生じる他疾患の病歴を追加で確認し、
受診した病院で異常所見がみられないことから、
施術を行い、経過を確認することにした。



【所見】
字を書いたり、パソコン、食事の際にかなり猫背気味で頸部前方が
かなり短縮する姿勢が見受けられる。
右頸部、胸鎖乳突筋などの緊張、舌骨周囲のむくみなどを確認。


【考察】
夕方につらくなってくるのは、仕事で同じ姿勢を保つことができず、
不良姿勢が強くなっている可能性を考えた。
当院で数回診て、改善傾向がない時は再度病院受診を促す予定。


【施術】
頸部・肩部・背部の緊張緩和、舌骨周囲の浮腫の改善を行う。

【セルフケア・環境改善】
・頸部・背部・胸脇部を中心とした自宅でのストレッチ
・ノートパソコンに土台を置き、少し高い位置にする。(頚部前方の短縮を避ける)

【経過】
その後、ストレッチによって症状軽減を実感、
症状はピーク時の1割程度になり、自己管理をお願いした。



病院で異常所見が認められず、医師の「半夏厚朴湯」の処方から
「咽喉頭異常感症」の可能性が高いと考えられます。

服用中に施術を開始したことから、当院の介入が症状改善にどの程度
貢献したかは正確には不明です。

当院では、不良姿勢や、頸部の緊張による物理的な喉への負担に対する
施術を鍼灸・ストレッチで行い、環境改善の提案をいたしました。

発症から比較的早期に症状が改善できた点は良かったと思われます。

のどの異常感覚は、「のど」局所の問題、身体全身の問題、精神的問題などが
原因と言われています。

まずは病院を受診していただくことが最も重要です。

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