手根管症候群の鍼治療-ランダム化比較試験
2012年1月 イランの研究
Acupuncture in treatment of carpal tunnel syndrome: A randomized controlled trial study.
この研究では末梢神経障害で多くみられる「手根管症候群」に対する鍼治療の効果を評価しています。
特に軽度から中等度の手管症候群を対象にしています。
鍼治療のほかにナイトスプリント(装具)、ビタミンB1、B6、偽鍼などと比較し、4週間の試験期間を設けて、GSS(グローバル症状スコア)を使いどの程度症状の改善が図られたかを統計的に評価しています。
症状は「痛み」「しびれ」「動かしにくさ」「夜間覚醒」などを判断基準としています。
鍼治療は「大陵」「内関」という手首に近いツボを使っています。鍼治療の頻度は週に2回です。
結果は72人の患者のうち64人が4週間の試験を終えました。
糖尿病、妊娠によるもの、重篤な手根管症候群の患者はこの試験から除外されています。
研究結果では鍼治療群が他の治療群より統計学的に優位な差がでています。
今回の研究では「軽度から中等度」「4週間という短期間」という限定された条件ですが、装具、ビタミン剤以外の包括的な治療方法として選択できると思われます。