講演会「認知症治療の最前線とユマニチュード」

講演会「認知症治療の最前線とユマニチュード」


筑波大学で行われた講演会、「認知症治療の最前線とユマニチュード」に行ってきました。

今年の初めに、NHK「クローズアップ現代」で取り上げられた認知症ケア「ユマニチュード」、既に出版されている「ユマニチュード入門」を読み、ぜひその内容を実際に聴いてみたいと思っていました。

認知症だけに限らず、ケアが必要な人になら誰でも利用できる、誰でも学ぶことができるという点で、鍼灸師としても個人としても強い関心がありました。

ユマニチュード

ユマニチュードでは基本技術として「みる」「ふれる」「はなす」「寝たきりにさせない」というケアを「同時」にかつ「包括的」に行っています。

その技術の背景には「ケアを受ける人が大切な存在である」というメッセージがあります。そのメッセージを確実に届けるための技術のひとつひとつに意味があり、その実例などがVTRなどで紹介されました。

以前にもTVでみたことがあったのですが、人の対応がここまで患者さんの状態に良い変化を与えるものかと改めて驚かされました。

ケアをする人の明と暗

講演の中では、「ケアをする人とは何か」という「問い」がありました。
ケアでは「回復をめざす」「機能を保つ」「そばに寄り添う」の3つを考えるだけでなく、「実は害を与えてしまっている」ということを常に考えることが必要だと強調されていました。

ケアをする立場で良かれて思ってやっていることが、患者さんにとってかならずしも良いことではなく、害になっているかもしれないと常に考えること。
ケアをする人の対応による影響が大きいということは、(意図的でないにしろ)害を与えてしまっている対応でも影響が大きいことは容易に想像できます。

介入の是非について批判的かつ自覚的になるにはやはり継続的な学習が欠かせないと強く実感しました。

ユマニチュードによる双方向の効果

また、ユマニチュードを導入することで、患者さんの体調や気持ちが安定するだけでなく、医療費の削減や医療従事者の離職率の低下などの効果もあるというデータが紹介されていました。

患者さんだけでなく、社会や医療従事者にも良い影響があるのは素晴らしいことだと思います。
ユマニチュードは現在、研修を行う病院がすこしずつ増えているそうです。

認知症ケアだけでなく、鍼灸臨床においても「みる」「ふれる」「はなす」「寝たきりにさせない」というのはもちろん大事な共通点です。

今回の講演は日々の鍼灸臨床の質を上げ、患者さんへの対応をいまいちど考える上で非常に有意義かつ貴重な機会でした。

関連記事

PAGE TOP