夜泣きと小児鍼

「夜泣き」と小児鍼

鍼灸に少しご縁のある方でしたら、「夜泣き」に鍼灸が利用されていることを
ご存じの方もいるかもしれません。

以前お見えになった方は「夜泣き」に鍼灸が使われていることをご存知でした。
その理由は、その方のお母様が関西出身で鍼灸の経験があったということでした。

関西や四国地方は鍼灸が昔から根付いている土地です。
歴史的にも文化的にもなじみがあります。
私自身も大阪の出身で、幼少のころに鍼灸を受けていました。

現在は、そういった鍼灸にゆかりのある方か、またはインターネットで検索をして
「夜泣き」や「逆子」に対する鍼灸施術のことを知る方が増えてきました。


それでも当院がある埼玉県、関東地方ではまだまだ小児鍼の
認知度は高くはないでしょう。

夜泣きは小児鍼の適応度が高い症状だと感じています。
比較的早い段階で夜泣きの回数が減っていく傾向があります。

夜泣きにはこれといって薬などもなく、ご家族の睡眠などにも影響することから、
少しでも回数が減らすことができるよう取り組んでいます。

子供が鍼?と思う方もおられると思いますが、
皮膚への刺激が自律神経の興奮を抑える作用があると言われています。

小児にはどんな鍼を使うのか


小児には大人と違い、皮膚をさする鍼を使います。
ボールペンの先が丸まったような「てい鍼」(下写真中段)を使います。

大人のように鍼を皮膚の中に刺したりすることはありません。

「夜泣き」の鍼灸治療について

「夜泣き」の鍼灸施術は、比較的早期に変化が出ます。

一晩で10回以上夜泣きで起きていたお子さんも、最大3.4回の治療で、
一晩1-3回、または朝までぐっすりとお休みになることがほとんどです。


お子さんの年齢や、状態に応じて刺激部位や時間は変化しますが、
施術時間は5分から10分程度です。

背中や手足、お腹、頭など、軽めの刺激で全身をさするようにして終了します。

「こんな軽い刺激で」と思われる方がほとんどですし、
私自身もいまだにそのように思えます。

過剰刺激は逆に神経を興奮させてしまいますので、ちょっと足りないかなと思うくらいが
お子さんにはちょうど良いのです。


眉間に青スジなどがうっすら浮かんでいるようなお子さんは、少し施術回数を要するかもしれませんが、段階的に夜泣き回数は減っていきます。 

初診から何回かは直接拝見して、治療をしながら夜泣きの回数が減ってくると
ご自宅でできる夜泣き対策についてアドバイスしています。

どの家にもある、ステンレス製のスプーンをつかって、自宅で小児鍼の代わりができます。夜泣きの程度が落ち着けば、この方法でコントロールできます。
いくつかの注意点を守っていただければ非常に簡単で、お母さんも安心してお休みになれます。

産前産後はお母さんの体調も不安定です。
お子さんの夜泣きの回数が少しでも減ると、睡眠がとれ、
精神的にも落ち着きを取り戻すことができます。


関連記事

PAGE TOP