更年期障害と鍼灸

更年期障害と鍼灸

更年期障害と鍼灸について馴染みのない方にも、症例や文献を通じてご案内しています。

更年期につらい症状をお持ちで、鍼灸院のホームページをご覧になられる方にはさまざまな思いがあるかと思います。 

「この症状は更年期の症状なのだろうか」
「この症状は改善するのだろうか」
「ホルモン補充療法の副作用が不安」
「鍼灸は更年期症状に効果があるのだろうか」

閉経の前後の更年期は多種多様庵な症状を引き起こします。原因はホルモンの濃度の変動といわれていますが、
顔のほてり、急に汗をかく、気分が落ち着かない、落ち込む、めまい、頭痛、動悸など様々です。ほてりによって睡眠不足になる方も多いようです。

また、ホルモンの濃度だけでなく、更年期の年代における仕事や家庭での役割、社会的環境も大きく症状に影響されると考えています。 

具体的には、職場での責任のある立場、両親の介護、子育てが一段落した後の将来についてなど、様々なことを考えることが多くなるばかりか、実際にすでにご苦労をされている方も多いことかと思います。  更年期症状について、なかなか周りの理解を得られず、苦労されている方も多いようです。お一人で抱え込まず、周囲の理解を得て、うまく手をかりられると負担もグッと減ります。 

鍼灸施術において、Aさんの治療とBさんの施術は症状も程度も違いますから、内容は変わってきます。それぞれの症状に個別に治療しつつも、共通するのは体全体の調和が取れるように全身に治療をしています。 症状が一気になくなるということはあまりありませんが、少しでも緩和されるとよく眠れたり、仕事の効率があがったりとプラスの側面が見えてきます。 体調の変化が不安の解消につながり、良いリズムにつながることも期待できます。 お悩みの方はぜひご相談ください。

目次

  • 更年期障害について
  • 更年期障害の症状
  • 更年期は身体・社会・心理的問題が重なりやすい時期
  • 更年期障害の診断
  • 病院での治療
  • 更年期の時期より少し前から意識していただきたいこと
  • 更年期障害がおきる原因と仕組み
  • 東洋医学による更年期障害の診立て
  • 更年期障害と鍼灸の論文(追記予定)
  • 更年期障害の鍼灸症例(近日予定)
  • 更年期障害のセルフケア(近日予定)

[更年期障害について]

閉経前後の10年、45-55歳を更年期とし、この時期に特定の病気がない
状態にもかかわらず、様々な身体の不調を総称して「更年期障害」といいます。

[更年期障害の症状]

顔のほてり・顔の発汗・寝汗・手足の冷え・動悸睡眠障害・イライラ
気分の落ち込み・めまい・頭痛・疲労感・肩こり・関節のこわばり
症状の数や程度は個人差があり、すべてがあるわけではなく、
気づかない方もおられます。

[更年期は身体・社会・心理的問題が重なりやすい時期]


身体的には卵巣機能の低下に伴い、女性ホルモン(エストロゲン)の
分泌低下がおこり、自律神経を不安定にします。

その結果、様々な不調を引き起こします。
(自律神経症状はホットフラッシュや発汗などが代表的です)
社会的には家族の関係の変化、職場での役割、介護などの
環境変化が起きやすい時期と重なります。
身体・社会問題がストレスとなり心理的ストレスを引き起こすこともあります。

[更年期障害の診断]

更年期障害は明確な診断基準がありません。
一方で、先に挙げた症状はほかの病気でもおきることがあります。
(甲状腺疾患・ストレスなど)

そのため、更年期障害と診断されるには医療機関への受診が必要です。

①他の病気がないかどうか精査が必要
②年齢や月経歴、月経周期が不安定な「周閉経期」かどうか
③血液検査によるホルモン(卵胞刺激ホルモン)・エストラジオール(E2)の測定
③更年期障害に特徴的なホットフラッシュなどの有無

[病院での治療]


ホルモン補充療法 血管運動性症状(ホットフラッシュ・発汗)・関節症状など
向精神薬     気分の落ち込み・イライラ・不眠 
          SSRIはホットフラッシュ、発汗
漢方薬      多様な症状や、体力や体質に合わせて全体的なバランスを回復させる


リスクや副作用もある(どんな治療も一定のリスクと副作用はあります)一方、
新しい利点もあり、見直されている点も多くあるようです。

自己判断ではなく、医師と十分に話し合って、適応も含めて治療をされることが
とても大切です

[更年期の時期より少し前から意識していただきたいこと]


更年期は女性ホルモン(エストロゲン)の低下だけでなく、骨密度の低下、
高血圧、脂質異常、糖尿病などのリスク
が増える時期にもなります。


これらを見据えたうえで、早い時期からの運動、適切な食事の習慣が
大切になると思われます。

[更年期障害がおきる原因と仕組み]

更年期障害がおきる原因は女性ホルモン分泌の仕組みにあります。

脳の視床下部からゴナドトロピン放出ホルモンが分泌

脳下垂体から卵胞刺激ホルモンと黄体形成ホルモンが分泌

卵巣から女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンが分泌

血液中の女性ホルモンの濃度によって視床下部と下垂体がそれぞれ調整機能の役割を果たす

以上のように女性ホルモンの分泌は調整されていますが、
閉経が近づくにつれて、女性ホルモンの分泌は減少します。

しかし視床下部は卵巣に女性ホルモンを分泌するよう機能亢進がおきます。
その結果、卵胞刺激ホルモンと黄体形成ホルモンが過剰分泌されます。

この2つのホルモンは「自律神経中枢」に影響をおよぼし、更年期障害の
特徴である自律神経症状を引き起こします。

自律神経症状:のぼせ、心悸亢進、発汗、不眠  →エストロゲン欠乏と関連
精神症状  :不安感、抑うつ、恐怖感、疲労感 →心理・環境要因

[東洋医学による更年期障害の診立て]


更年期症状に対する東洋医学による診立てには、バリエーションがあります。
漢方を処方する先生や、鍼灸師の間で共通のものもあれば、異なることもあります。

それぞれの先生が持つ経験や、学習されてきた理論体系が異なることが
理由の一つと思われます。

東洋医学では「更年期障害」を「気・血の不足」
「熱の産生の不足と、排出のアンバランス」
「肝鬱気滞」「腎陰虚」「心腎不交」など様々な言葉で診立てを表現します。


かなり大まかな説明になりますが
気力が低下して何もやる気がでないタイプ、
逆に常にイライラしてストレスが多く、頭に血が上るタイプなどに分けられ、
一人の患者さんの中に、2つのタイプが混ざることもあります。

実際にはどのような症状があるか、どういった体質かを見極め、
使うツボなどを選択していきます。

[更年期障害と鍼灸の論文]

更年期障害と鍼灸についての論文を紹介していきます。

①Efficacy of a standardised acupuncture approach for women with bothersome menopausal symptoms: a pragmatic randomised study in primary care (the ACOM study).  PMID: 30782712  : 更年期症状に対する鍼の有効性 デンマークの研究


[文献]更年期症状に対する鍼治療の有効性:デンマークの研究

② Effects of acupuncture on menopause-related symptoms and quality of life
in women in natural menopause:a meta-analysis of randomized controlled trials.
PMID: 25003620 :更年期症状と生活の質に対する鍼治療の効果(メタ分析)-台湾の研究

[文献] 更年期症状と生活の質に対する鍼治療の効果(メタ分析)-台湾の研究

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