埼玉県春日部市の鍼灸院 はり・きゅう はりも

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胸の痛み:鍼灸院での危険な兆候を除外する3つの質問と落とし穴

胸の痛み:鍼灸院での危険な兆候を除外する3つの質問と落とし穴

胸部の痛み:鍼灸院での危険な兆候を除外する

胸の痛み:鍼灸院での危険な兆候を除外する3つの質問と落とし穴

2020.4.20 加筆修正

先日、隔月で参加している勉強会では
「胸痛」の症例が提示されました。
 
この症例での「胸痛」は「危険な胸痛」ではなく、
数回の鍼灸施術で改善したものでした。
 
「胸痛」は第一に心筋梗塞や狭心症、大動脈解離などの
危険な疾患が原因と考えられる症状です。
 
危険な疾患が考えられる場合には、鍼灸をする前に、
病院を早急に受診していただかないといけません。
 

「胸痛」を訴える患者さんが鍼灸院に来院した場合

 
一般的に「胸痛」を訴える方のほとんどは、まずは病院を
受診しますが、まれに「鍼灸院」を最初に受診される方がおられます。

「過去にほかの症状が鍼灸治療で治ったから」、「病院が嫌いだから」、
「それほど症状が激しくないから」など様々な理由がありますが、
患者さんを守るためにも危険な疾患の除外・鍼灸適応の判断が必要となります。
 
当院では数年前に、「腰痛」で診ていた患者さんが
「心不全」になりました。
早急に病院受診を促し、病院での適切な対応により
早期に回復されたケースでした。

その時、患者さんは「風邪かな、たいしたことないよ」と
おっしゃっていました。

しかしながら、普段とは違うぜーぜーとした「喘鳴」、
仰向けで休むより座ってるほうが楽といった「起坐呼吸」、
脚が急にむくむなど、「心不全」の症状がでていました。
 
普段の状態を診ていたため、「いつもと違う」といった
感覚もすぐに病院を勧めた理由だったかもしれません。
 
やはり、危険な兆候には注意をはらわなくてはいけません。

「胸痛」を自覚された患者さんは、まずは病院を
受診されることを強くお勧めします。

 

病院の受診は必須、さらに3つの問診

 
「胸痛」を訴える代表的な疾患である心筋梗塞や狭心症は
中高年の男性に多いと言われています。

年齢、性別は重要な要素です。
そして、心臓疾患の有無を問診で確認します。
 
1)痛みは胸骨の裏かどうか
2)労作で誘発するか
3)安静で消失するか
 の3つ。
 
ちなみにこの3つの質問が60歳代、男性ですべて「イエス」で
あれば90%の確率で冠動脈疾患が疑われると言われています。
 
「歩くと胸の痛みが強くなりますか」
「食事によって誘発しますか」
「休んでいるときはおさまりますか」
などなるべく具体的に聞くようにしています。

「胸痛」を診るときの注意すべき「落とし穴」

そもそも「胸痛がある」「冷や汗をかくほど苦しい」「うずくまる」といった
心疾患を疑わせる症状の時は、患者さんが鍼灸院に来院される確率はかなり低いでしょう。
(パニック障害などは除いて)

自覚症状として、「これはちょっとおかしい」「これは苦しい」といった
感覚が働き、病院を受診するからです。

問題は「胸痛」がないけれども、鍼灸院でみるべき状態ではないときがあります。

「心疾患」を疑うときに、2つほど落とし穴があります。

落とし穴① 「胸痛」がない心臓疾患があります

「胸痛」がないからといって、安心できるわけではありません。

明確に「胸痛」を訴えない場合にも慎重になる理由があります。

「痛みのない心筋梗塞」が22-35%といった報告があり、
「胸痛」がないからといって「心筋梗塞」を完全には除外できません。

さらに心筋梗塞の患者さんで初診時の心電図において正常な人が
30%いる報告もあり、病院では問診、聴診、心電図、
血液検査、胸部レントゲンなどで総合的に判断されます。

このように非典型的(胸痛がないなど)な心臓疾患が
一定の割合で存在します。

以下の症状は心疾患の症状の一部です。

「なんとなく重い」
「ムカムカする」
「息苦しい」
「押される感じ」



これらの症状だと「食べ過ぎ」や「過労」「ストレス」かなと思われたり
症状の程度がそれほどではない場合、見過ごされやすい可能性があります。

明確に「胸が痛いです」と訴えられたときと、
上記の症状だけ伝えられた時では、施術者側の「心疾患」を疑うセンサーの感度が
変わりやすい点で、「見落とし」という「落とし穴」があります。

落とし穴② 「関連痛」

もうひとつの落とし穴は「関連痛」です。
「関連痛」は原因部位と異なるところに痛みが発生します。

心臓に問題があっても他の部位に痛みがでるのです。

最近は「心臓が悪くて、肩こりがすることがあるらしいね」と
話される患者さんもおり、一般に広まりつつある情報です。

「左の肩こり」といった情報もありますが、左右どちらか、
また両方にでることも多いので、右側だから安心と
いうものでもありません。


首・歯・喉・歯・鼠径部など心臓から半径30センチ以内は関連痛を否定できません。

「首や肩、鼠径部痛」などは鍼灸院での日常的な訴えと重なることも十分予想されます。

体動や呼吸、圧痛部位の小ささなどは筋肉・骨が原因の可能性を高めますが、
安静時の「関連痛」は要注意です。

さらに、高齢であったり、脂質異常症、糖尿病、高血圧の既往や喫煙歴などの
リスクも考えるべきでしょう。

当院では下記のレッドフラッグ(危険な兆候)がないかを確認しています。

胸痛のレッドフラッグ(危険な兆候)

・突発、進行性 、安静時、夜間の胸痛
・呼吸苦
・発熱
・労作
・動悸
・息切れ
・関連痛
・背部痛
・発汗
・冷汗
・失神
・下腿浮腫


・嘔気・嘔吐
・便が黒い
・貧血

・既往:循環器疾患(不整脈など)の有無、糖尿病など

・バイタルサイン
・血圧の左右差の計測

病院で危険な胸痛を除外されている場合、
また「肋間神経痛」や「帯状疱疹後神経痛」などによる「胸痛」は
鍼灸院で日常的に対応しています。  

病院でいろいろ調べても原因がわからない、
でも心臓や消化器、呼吸器などには問題がない場合は
危険な兆候は限りなく低いと考えられます。

 そういった「胸痛」は、鍼灸でお役にたてることがあるかもしれません。  

 

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コメント

  • 増田正人 より:

    胸部の痛み とても勉強になりました。

    他のメンバーにも、送信してあげたらいいと思います。

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