五十肩になった時の日常生活の注意点

「五十肩は時期によって注意することが異なります!!」


「五十肩」は「肩こり」と違って、疲れて肩が重い、だるいといった感じのものでありません。初期は痛みが強く、夜も眠れないくらいです。その後、腕が固まって上がりづらくなります。
「五十肩」になったとき、日常生活上の注意点とリハビリの内容はは時期によって異なります。

五十肩には2つの時期があります

 
「五十肩」は痛みの強い「炎症期」、動きに制限がかかる「拘縮期」にわけられます。
日常生活の注意点、リハビリはこの「時期」によってまったく異なります。

鍼灸治療や自宅灸も経過に応じて内容が変わります。

「炎症期」
痛み始めてまもない時期。文字通り炎症が強く、肩に熱を持ったり、はれたりします。
動かさなくても痛い「自発痛」、夜眠れないほどの「夜間痛」があります。
痛みはありますが、腕はなんとかあげられます。     
概ね、1-2週間程度となります。

「拘縮期」
痛みはまだありますが、「炎症期」ほどではなくなっている時期。痛みよりも、腕を上げられず、固まってきます。シャツを着たり、髪の毛を結ぶのが大変になります。
夜は眠れるようになっています。

「炎症期」の日常生活の注意点とリハビリ


「炎症期」はとにかく痛みでつらい時期です。腕の重みですら負担になります。痛みが強くて医師に注射をうってもらう方もおられます。以下の事に気を付けてください。

  1. 日中は三角巾などで腕を支えて、腕の重みによる負担を減らします。
  2. 熱を持っている状態では、保冷剤などで冷やす。入浴・カイロなどで温めないよう注意します。
  3. 就寝時は横向きになり、痛いほうの肩を天井に向けるようにする。抱き枕などを抱えるようにすると腕が安定します。
  4. 仰向けで休む場合は、痛いほうの肩甲骨の下に平たく折りたたんだバスタオルをいれ、腕全体の下にもタオルを入れ、少し高さを作って安定させます。
  5. 「五十肩は動かさないと治らないよ」と近所の方がアドバイスをくれることがありますが、「炎症期」は安静第一です。
  6. 痛みで、背中が丸くなり、肋骨や背中が固まってくるため、座って手を膝の上に置いて、「深呼吸」をする程度のリハビリがおすすめです。
  7. 自宅灸もこの時期はおすすめしません。
  8. 服はゆったりしたものを着てください。かぶりものではなく、身体の前が開いているものが肩をあまり動かさず、おすすめです。痛いほうの腕から袖を通します。脱ぐときは逆から。
  9. 食事の時は、両肘をテーブルの上に乗せると、腕の重みが軽減されます。
  10. 肘掛け椅子に座り、腕を置くと腕の重みが減ります。

「拘縮期」の日常生活の注意点とリハビリ

「拘縮期」は痛みはあるものの、腕を上げるのが難しくなる時期です。この時期から積極的なリハビリが必要です。温めながら、少しずつ動かしていきます。

  1. 肩用の薄手のサポーターを使います。就寝中は肩が冷えないように、薄いタオルなどをかけます。
  2. 夏場の冷房などが当たらないようにします。
  3. 入浴中などに浮力を利用して、痛みのない範囲で少しずつ腕を動かしていきます。
  4. 椅子に座って、肘を伸ばして、テーブルをふきんで拭くように動かして、動く範囲を広げていきます。
  5. 物干しざおにロープをひっかけて、両手でロープのそれぞれの端をもち、交互にゆっくりと引っ張る動作を行う。 片方がひっぱると、もう片方が持ち上がるため、腕を上げるリハビリになります。
  6. 前かがみになり、腕全体を脱力して、床に伸ばしたまま、アイロンなどを持ち、ゆっくりとブランブランと振り子のように動かす。腕で動かすというよりも、身体を前後左右にゆすって、結果的に腕が動くくらい、脱力するのが望ましいです。
  7. 歩くときは、ポケットに手を入れると腕の重みを軽減します
  8. 自宅灸は血流促進により組織の回復をすすめまるので、お勧めです。(痛い部分中心に)

五十肩の「炎症期」「拘縮期」、それぞれでの注意点をご案内いたしました。時期を間違えると、症状を悪化させることがありますので、ご注意ください。
五十肩については下記もご参照ください。


五十肩-腕が上がらないから五十肩?
五十肩-鍼灸施術症例

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