お灸の今と昔-時代の移り変わりと様々なお灸
80歳代ぐらいの患者さんのお話をうかがっていると、
お灸の話になることがあります。
- 「母が親指くらいの大きさのお灸を肩にすえているのを見ると怖くて、
膏薬を張り替えるのを手伝わされるのが嫌だった」 - 「昔はお灸をすえてくれるところがなくて、このあたりの人は
みんな浅草まで通っていた」 - 「悪いことをしたときに、文字通り手にお灸をすえられた」
お灸が生活の中に根ざしていたことを思いながら、
教科書で読んだお灸の歴史を目の前の患者さんが
実際に話されていることに感慨深くなります。
当時のお灸には様々な意味があったと思います、
「悪いことをした時の子供へのお灸」は「しつけ」の意味もありながら、
健康に育ってほしいといった親の愛情もあったのではと思います。
わたしも6歳ごろに子供用の鍼治療
(肌のうえをさするだけです、刺すことはしません)を受けていましたが、
先生が線香に火をつけると、警戒心をもったことをいまだにおぼえています。
今は昔のように、痕が残るような強いお灸をするところはほとんどありません。
一瞬チクッとした感じがある程度です。
実際に直接肌にもぐさを置くお灸から、市販されている台座の上で燃えるお灸、
鍼の上にのせるお灸、棒状のお灸で広い範囲を温めるお灸と様々です。
最近、書店では若い女性向けのお灸の本とお灸がセットで販売されているものがありました。
時代の変化がありながらも、お灸が少しでもお役にたてばと思っています。
2017年頃から電気を使ったお灸を導入しています。
煙がでないため、咳・喘息など呼吸器が過敏な方にも
対応できるようになりました。
お灸の熱さが怖い方にもおすすめです。
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