埼玉県春日部市の鍼灸院 はり・きゅう はりも

〒344-0058 埼玉県春日部市栄町1-279
Tel:048-763-5323
お灸

お灸:直接灸について

お灸:直接灸について

 

お灸には様々な種類があり、患者さんによって
イメージしているものが違います。

ご自宅で使われる「せんねん灸」をはじめとした
「台座灸」は「間接灸」と呼ばれています。

また、「棒灸」や「箱灸」のように広範囲で温和な
熱刺激を加える「温灸」も「間接灸」の一種となります。

 

昔から使われている「直接灸」は肌に直接もぐさを置いてするお灸です。

鍼灸院でも「直接灸」を使うところが少なくなっていると聞きます。
当院にお見えになった患者さんも「直接灸」をご存知ない方がおられますし、
また大きなもぐさを想像されていることがほとんどです。

 

そこで、今回は実際に当院で使っている「直接灸」を写真で紹介いたします。

 

肌に直接もぐさをすえます
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線香で火をつけます

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燃えるのを待ちます

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8.9割燃えてきたらとりはじめます

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9割燃えたところで、取り去ります。患者さんにはチクッとした熱感が少しあります。

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患者さんの症状に応じて、もぐさを燃やす程度を部位ごとに変えています。

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せんねん灸 セルフケアサポーター講習会に参加してきました

せんねん灸 セルフケアサポーター資料

 

せんねん灸 セルフケアサポーター講習会に参加してきました

 

「せんねん灸 セルフケアサポーター講習会」に参加してきました。

この講習会は「きゅう師」のみが参加できるもので、

「患者さんにお灸の素晴らしさを伝えるとともに、
不安を感じることなくお灸を使っていただく」
ことを
目的とした内容です。

せんねん灸セルフケアの森

 

参加者全員が「きゅう師」の免許を持っていますが、
この日は初めてお灸を使う患者さんの気持ちになって、
お灸を使うときに感じる様々な「不安」「疑問」に向き合います。

一般の方にとっては、お灸は「熱い」というネガティブな
イメージが先行していることもあり、
「火のつけ方」から「ツボの取り方」、
「お灸の効果」など多種多様な「不安」があり、
それらが発売元である「せんねん灸」(セネファ株式会社)
にもよせられているようです。

 

そのような「不安」に答えるために、「お灸のプロである鍼灸師」が
治療院など様々な場所で「お灸教室」を開く機会が増えています。

 

当院では今のところ患者さんの病態を診た上で、
「お灸がよく合いそうな患者さん」や「お灸に関心がある方」
「セルフケアに興味がある方」などを中心に個別に相談に応じています。

 

お灸初心者の方には、ツボの取り方や病態にあったツボに印をつけます。

あまり複雑な内容にならないようにし、なるべく基本的なツボを
使うようにしています。お灸による変化をまずは感じていただくようにしています。

ツボは教科書通りもいいのですが、患者さん自身が実際に触って
感じたところも大切な反応点であり治療点です。

せんねん灸

 

今回の講習会でも、さするように肌をさわり、凹んでいるところ、
ザラザラしてるところ、肌のキメが荒いところなど、
実際に触った感覚を大切にしていました。

必ずしもツボとされているところではないけれども、
そういったところは血行不良があり、お灸を実際にすると体の変化があります。

 

講習会ではお灸をする前に、前屈(まえかがみ)になり
体の柔軟性を確かめた後で、足首周囲の触って反応があるところに
お灸をすると、より楽に前屈ができることを確認しました。

お灸の熱を感じにくい人は3つ、感じた人は1つとお灸の個数を
変えることで変化が出た方も多くおられました。

お灸ひとつで体の変化が主観的にも客観的にも感じられる
わかりやすい例だと思いました。

 

お灸を必要としている人、場面は様々です。不妊治療や、
妊婦さんを支えるためにお灸を活用している方、

高齢者を対象としている方、またお灸に抵抗がある方や
お灸の経験がない方などに勧めている方など様々な先生がおられました。

当院も含めて、お灸が必要とされている患者さんに
少しでも適切に届けられればと思います。

 

 

 

お灸について良くある質問

お灸についてよくある質問

お灸についてよくある質問をまとめました。
ご自宅でお灸をされる際に参考になさってください。

 

Q:自宅でお灸をする頻度は?

A:理想は1日に1回です。

自宅でのお灸の頻度は、1日に1回で十分です。
1日に何度もする必要はありません。

慢性的な体調不良などは1日1回、毎日できると理想ですが、
週に2-3回でも効果は期待できます。

 

Q:お灸をする期間は?

A:短期集中よりも、ゆるやかなペースで長期間の方がおすすめです。

お灸で「何を改善したい」かによって期間は
おのずと変わってくると思います。

急性期のお灸の効果もありますが、お灸の良さは慢性的な
体調不良を徐々に改善していく点にあります。

そういった慢性的な症状には、1日に何度も、そして毎日たくさんの
お灸をするよりは、1日1回、毎日できなくても週に2-3回、
数カ月にわたってお灸をする方がよろしいかと思います。

当院でも「さ、やるぞ!」と最初だけ、気合を入れて
お灸を始める患者さんよりは、「こんなの効くのかなあ」と
思いながら、忙しい日は休みつつも、
コツコツお灸をされている患者さんの方が
結果的にはやく良くなられているようです。

決して万能ではないものの、数か月、または年単位で積み上げていく
「お灸」という治療法があるということも、
当院がお伝えしたいことのひとつです。

 

Q:お灸をする数はどうやって決めればいいですか?

A:最初は5-6個からはじめてみることをおすすめします。

 

お灸の個数は、患者さんに必要な刺激量に関係します。
お薬もたくさん服用すればいいというわけではありません。


お灸も同様で、多すぎるとのぼせることもあります。
最初は少なめではじめてから、1か月くらいは様子を
みていただくことをすすめています。

お灸の期間、頻度と同じで、「多いからいい」「熱いからいい」という
性質の物ではないことを知っていただきたいと思います。

患者さんの体力や状態がそれぞれ違いますので
、実際に治療にお見えになった方には、
お灸の個数の提案はしております。遠慮なくご相談ください。

 

Q:お灸をする時に注意することはありますか?

A:いくつか注意点がございます。

詳しくは「ご自宅でお灸をされるときに注意すること」をご覧ください。

 

 

Q:火傷が心配です

A:「絶対に火傷はしません」とはいえませんが、
予防策をとればほとんど火傷をすることはありません。

 

皮膚表面が汗などで湿ってないように、ふきとること。
熱さを感じたら、すぐに取りさることが大切です。

灰皿、ピンセットなどをあらかじめ準備しておくといいでしょう。

あまりに体力が落ちている場合は火傷をすることがありますので、
その時はお灸を中止されたほうが無難です。

 

Q:お灸の選び方は?

A:最初は弱い熱のお灸からはじめられることをおすすめします。

 

当院ではお灸に慣れるまでは「マイルドせんねん灸ソフト」
などから、試していただいております。

段階的に熱量を調整して、心地よい温熱が適度なお灸となります。

 

 

Q:お灸の煙が気になるのですが、、。

A:煙の少ないお灸、スモークレスタイプがございます。

 

煙の出ないお灸

 

もぐさを炭化した煙、ニオイが少ないお灸がございます。
患者さんによっては、暖かい時期はご自宅の庭で、
寒い時期はバスルームなどで工夫をされているかたもおられます。

 

Q:お灸をしてはいけないときはありますか?

A:運動、入浴、食事、飲酒の前後は避けてください。

 

 

特に入浴前後は、のぼせたり、気分が悪くなることがあります。
またお灸の直後に入浴すると水疱ができることがあります。

お灸をなさったあとは、ゆっくりと過ごされることをお勧めします。

 

 

Q:どのツボを使えばいいかわかりません

A:一度は、お身体を診せていただくことをお勧めしています。

 

患者さんによって、訴えは様々です。患者さんから直接お話を聴き、
見て、触って確認できる情報は貴重です。
そのうえで、当院で患者さんに必要なツボを提案いたします。

いろんなツボがあり、いろいろ使ってみたくなることもあるとは思いますが、
「定番」といわれる「足三里」「合谷」「三陰交」などを
地道につかっていると、その効果からやはり「定番」である理由がよくわかります

 

 

 

 

 

 

お灸の様々な効能-肩こり、腰痛からしもやけまで

お灸の様々な効能-肩こり、腰痛からしもやけまで

 

お灸は直接肌にもぐさを据えて燃やすもの、
刺してある鍼の上にもぐさを載せて燃やすものなど
様々な方法があります。

お灸は目的に応じて使い分けるのですが、いわゆる肩こり、
腰痛、膝痛など鍼灸治療院で訴えの多い症状以外にも、
鍼とはまた違った多様な効能があります。

今回は、「こんな症状にもお灸がつかえるの?」
患者さんもなかなかご存じない効能の一部を紹介したいと思います。

 

・踵のひびわれ


 直接ひび割れているところにお灸をします、ご自宅では
 せんねん灸などの市販のお灸、
少し本格的になると直接灸の
 糸状のお灸を使います。

 ひび割れの程度にもよりますが、踵は硬く血行が悪いことが
 おおいので、お灸の数はある程度多めにしないと
 効果がありません。

 ひびが深いところは同じ場所にお灸を続けていたします。

 

・足先の冷え

 冷えの程度にもよりますが、市販のお灸、
 糸状のお灸を指先にすることがあります。

 
 足の末端なので少し熱く感じることもありますが、
 冷えが強い方はひとつや、
 ふたつのお灸では熱さを感じないこともあります。

 

 最初は少なめのお灸で様子をみて、熱さを感じるまで
 することもあります。
 冷えが改善していくと、お灸の数を少なくしても熱さを感じてきます。
 住環境にもよりますが、棒灸をつかってゆっくり温めていく方法もあります。

 

・しもやけ

 治療院では棒灸でじっくり温め、最後に糸状のお灸で
 仕上げをいたします。

 ご自宅でのお灸を併用されるとはやくよくなります。
 しもやけの気配を感じたらすぐに

 はじめると悪化しにくいです。

 

・痔

 お腹、骨盤部を温めることがメインですが、さらに腕の
「孔最」というツボにお灸をすえます。

 触診すると独特の反応があります。このツボには直接灸を使います。

 

・巻き爪の痛み・違和感

 爪に巻いて食い込んでいるところに糸状灸をします。
 市販のお灸は大きいので、ちょっと難しいかもしれません。

 

・帯状疱疹の痛み・違和感

 帯状疱疹による痛み、つっぱり感、違和感などは、
 神経の走行やかさぶたなどに沿ってお灸をいたします。

 

・顔面神経麻痺の後遺症による違和感

 これは治療院でのみ行います。
 糸状灸で、熱を加えすぎないように加減しながら
 患者さんが感じるか感じないか程度のお灸を

 違和感のある部位にそって細かくお灸をしていきます。

 顔面神経麻痺の何とも言えない違和感のせいか
 このお灸は喜ばれることが多いです。

 

・膀胱炎による下腹部の違和感

 腰、骨盤部、下腹部を棒灸、箱灸などでしっかり温めたあと、
 下腹部のツボに糸状灸を少し多めに行い。
熱を伝えます。
 膀胱炎は冷えによる免疫力低下とも言われています。

 普段からお灸をなさっておくと予防にもつながります。

 

・手指など小さい関節の痛み

 せんねん灸などの市販のお灸か、糸状のお灸で直接灸を関節部に行います。
 詳しくは指の関節の痛みに対するお灸を参考にして下さい。

 


・逆子に対するお灸は、治療院のみで行います

「逆子に対するお灸の効果」を参考にしてください)   

 

これ以外にも様々な場面で使用します。

お灸は「据えたもぐさを燃やす」という昔ながらの
シンプルな治療法ですが、 その使い方(火の加減やお灸の数など)
次第でその適応範囲は今でも十分に広いと感じています。

糸状灸について

糸状灸について

 

糸状のお灸を紹介いたします。

糸状灸といいます。刺激はチクッとしますが、

頸・肩こりから、小さい関節の痛みや、逆子の治療など

当院では広範囲に使っているお灸です。

糸状灸

 

 

 

 

 

 

 

 

きめの細かいもぐさをつかって、こより状にしてから
糸状灸をいたします

もぐさ

 

 

 

 

 

 

こより状のもぐさ

 

 

 

 

 

 

 

 

肌に直接行う、「直接灸」ですが、糸状でかなり
小さいので熱刺激はそう多くありません。

頭痛や、頸の痛み、めまいなどの症状には頭のてっぺんの「百会」と
いうツボにこの糸状灸を連続してする事があります。

うおのめ(魚の目)とたこの治療-お灸の効能

うおのめ(魚の目)とたこの治療-お灸の効能

 

昨年末から偶然にも、うおのめ・たこの治療をすることが続きました。

うおのめやたこをお灸で治療するというのはあまり
聞いたことがないかもしれません。

しかしながら、患者さんの中にはお灸が効くということを
ご存知の方もおられ、すでにご自身でお灸を据えた経験がある方もおられました。

 

そういったことは珍しいのですが、うおのめとたこで困っておられる方は、
既に窒素の治療を受けたり、市販のバンドエイドなどを使われたりしています。

それでも状態があまり芳しくない方が相談されることが鍼灸院では多いと思います。

 

うおのめとたこのある部分は持続的な圧迫による血行不良がおこっています。
靴や生活習慣を確認した上で、お灸を硬くなった部分、うおのめの芯の部分、
その周囲に直接お灸をいたします。

 

硬くなっているため、直接お灸をしても熱さをまったく
感じられない方がほとんどです。

十分な数のお灸を、一定のリズムで据え続けます。

お灸をした部分や周囲が柔らかくなるのを確認しながら、
最後にに少し患者さんが熱さを感じるまで行います。

お灸の数やもぐさの種類なども重要です。

母趾や小趾など足に圧倒的に多くできますが、
手指の治療も昨年は行いました。

 

特に足のうおのめ、たこは痛みがあると歩くときの障害になるばかりか、
痛みを避けようと不自然に歩くため、膝・腰などに間接的に
痛みが生じることがあります。

健康目的で歩く方が多くなっていますが、うおのめ・たこに
困られている方はお灸のことを思い出していただければと思います。

 

 

うおのめ(魚の目)とたこの治療-お灸の効能うおのめ(魚の目)とたこの治療-お灸の効能

 

 

 

 

箱灸について

箱灸について

 

最近、「温灸」を希望される患者さんがお見えになりました。

「温灸」という言葉も一般的になりつつあるのでしょうか。
「温灸」はやけどや水ぶくれなどができない、
温和な熱を加えるお灸のことです。

市販の台座の上にのったお灸も「温灸」のひとつとなります。

当院で使用している温灸はいくつか種類があります。
今回はそのひとつ「箱灸」について紹介いたします。

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木箱の中にもぐさを入れてお灸をいたします。

moxa-box2「箱灸」の特徴は、広範囲に長時間温めることができます。

おもに腰・背中・肩・お腹など、体の中心部を温めます。

特にお腹には大きな血管が通っており、
足の方に枝分かれしています。

腰とお腹の両方を温めることで足の方まで
熱を効果的に運ぶことができます。

冷え性や、食欲不振、倦怠感、自律神経症状などに
主に使っています。

箱の中の網の部分にもぐさをいれ、燃やします。
皮膚から網の部分までは適切な高さがあるため、

やけどをすることはありません。

もぐさの量を調整することで、熱の強さや
時間を変えることができます。

 

また、「棒灸」を切って使用すると、安定した
熱量で長時間温めることができます。

患者さんからは、「お風呂に入っているような感じ」
「治療後もまだポカポカしている」

「赤外線より長時間あたたまっている」といった感想を聞きます。

 

逆に、箱灸でしっかり温めているのにもかかわらず、
あまり温かくない、熱さを感じない時は、患者さんの調子が
悪いときが多いときです。

そういった方は、入浴でもあまり体が温まらないといいます。

そのような時は、複数回にわたって、背部・腹部を中心に
箱灸の治療を続けることがあります。

何回目かに、「温かい」「熱が身体の中にはいる感じがする」
といった感覚が出てくると調子が上向きになる傾向があります。

 

箱灸のように、お灸すべてが「熱い」ものではなく、
「温かく心地良い」ものもあり、状態に合わせて使い分けをしています。

その他の「温灸」についても、随時紹介してまいります。

 

肩関節の痛み(腱板炎)とお灸

ショルダーバッグ

 

肩関節の痛み(腱板炎)とお灸

 

肩関節が痛むのには様々な原因があります。

肩関節の痛みを訴えて来院なさる患者さんは、
まず「五十肩」を心配なさることがほとんどです。

「五十肩」以外にも肩関節を痛める病気がいくつかあります。

今回は「五十肩」ではなく、同じく肩関節の病気である「腱板炎」と
セルフケアについて下記に少し紹介いたします。

 

*下記症例は患者さん個人が特定されないよう内容に変更を加えております。

 

お灸症例

 

患者
45歳女性、左肩前面の痛みを訴える。最近事務仕事だけでなく、
外回りの営業活動をしてから痛み始めた。

今まで肩こりはあったが、今回の痛みは少し違うので五十肩にならないか心配

 

病歴
2か月前から仕事で責任のある立場になり、事務仕事だけでなく、
外回りの営業活動を始めた。

以前より歩くようになったので足が疲れるのはわかるが、
なぜ左肩の前面が痛くなったのかはわからない。

 
3週間前から左肩の前面がピリッとするようになった、
痛みはそれほど強くはないが、休んでも痛みが少なくなる様子はない。

週に1度趣味でダンスを行っている時に、腕を上げると明らかに
左の肩に痛みを感じるようになった。

就寝時に痛みで目が覚めることはないが、左肩を下にして横になって
テレビを見ていると痛くなる。

ここ1週間は営業活動でかけているショルダーバックがすれると
痛みを感じるようになった。

肩、腕にしびれはない。頸の動きで痛みやしびれがでることはない。

腕は挙げることはできるが、挙げる途中で痛くなったり、
ジャケットを着るときなどに痛みを感じる。

特になにかにぶつけたりしたことはない。営業活動はまだ当分続く予定、
趣味のダンスも続けたいので、なんとかしてほしい。

湿布、服薬などはしていない。食欲、睡眠は正常。
発熱なし、夜間痛なし、安静時痛はない。

 

身体診察

・左肩に熱感、腫れなどは認められない。結節、間溝など肩関節前面に圧痛多数。
・ペインフルアーク 陽性(120°~160°)
・自動、他動ともに外転180°可能
・棘上筋、棘下筋の委縮、左右差は認めれらない

初診時除外診断

・石灰沈着性腱板炎:夜間痛がない、痛みが激しくない
・腱板断裂:自動の可動制限がない
・五十肩:夜間痛がない、拘縮がない、
・外傷:外傷の履歴がない

初診時の診断とその根拠

腱板炎:①上肢拳上途中の痛み ②可動制限がない 
    ③夜間痛がない ④安静時痛がない

 

施術とセルフケア

鍼灸治療は腱板周囲を中心に鍼やお灸をし、腱板の炎症をとります。

腱板炎は腱板断裂や五十肩(疼痛期)ほど炎症が強くないことが
ほとんどなので、比較的鍼灸の効果がその場で実感できることが
多いと思います。

数回の鍼灸治療と生活上の注意とご自宅でのお灸を勧めています。

「病歴」にもありましたが、痛む方の肩を下にして横になられたり、
ショルダーバッグやリュックを長時間肩の前面にあてられたことで
痛くなられた方は複数の患者さんでおられました。

また、繰り返し腕を上げたり下げたりすることや、ボールなどを投げる
動作を過剰に行っても腱板には負担になります。

可能な範囲で生活上の問題点を見直して頂きます。

 
お仕事などで見直すことができない場合は、ご自宅で腱板周囲に
お灸をしていただくと、より早く痛みを軽減することができると思います。

外傷以外では普段の生活の中に原因があることがほとんどなので、
こまめにお灸をしておくと悪化を防ぐことができますし、
腱板炎の場合はお灸をした後に腕の上げ下げなどをしていただくと
即効性を実感できることがほとんどです。

腱板炎は五十肩などに比べてより自宅での
お灸が向いているのではと思っています。

お灸をする場所などは当院で随時ご案内しています。

 炎症があまりに強い場合はアイシングを優先的に行います。

また、テーピングなどで肩関節に負担がかからないようにします。
お仕事などで動かすことが多いときは、サポーターをすることで
肩関節の動作時の痛みが軽減されます。

以上のように、腱板炎に対しては、鍼灸治療と日々の生活上の
セルフケアが同じくらい重要です。

 

 

 

お灸をどこのツボにすればいいかわからない時

糸上灸3

 

お灸はどこのツボにすればいいの?

お灸に興味はあっても、どこにお灸をすればいいのか
最初はよくわかりませんよね。

来院された患者さんには症状をうかがっているため、
お灸が必要な場所や個数、頻度などを直接細かく説明しています。

しかしながら、治療院に行くほどでもない状態や
お忙しいときに、いつもとは違う症状がでることもあります。

そういった時に患者さんご自身でお灸ができることは、
ひとつの安心につながると当院では考えています。

 

ツボ以外にもお灸をしてもいい理由

いわゆるツボ(経穴)といわれるものは全身に361個あります。

それ以外にも押して痛むところを「阿是穴(あぜけつ)」
という別のツボがあります。

本やインターネットにのっている「いわゆるツボ」もいいのですが、
ご自分で痛いと思うところ、特に押したり、動かしたりして
痛むところにお灸をするのは非常に効き目があります。

私自身も治療の中で、いわゆるツボを使いながらも、患者さんに聞きながら
押して痛むかどうかを確認し、「阿是穴」を使っています。

患者さん自身がいちばん痛いところを把握しているので、
これを使わない手はありません。

「押して痛いところ」、「動かして痛いところ」を
ぜひ見つけてご自宅でのお灸に活用していただきたいと思います。

 

押して痛いところの探し方

押して痛いところはただ上から下に押しても痛いのですが、
押す方向によっても感じが違うと思います。

たとえば肘周辺などは「肘を曲げた状態」で押すのか、
「肘を伸ばした状態」で押すのかで痛みの感じ方が違います。

押してより痛みがはっきりとわかる状態でお灸をすると
効き目も変わってきます。

普段の生活の中で痛みの出る状況が分かっているときは、
その動作を再現した状態(たとえば、足首を伸ばした時なら、伸ばした状態で)で
お灸をされると良いかと思います。

「押し方」と「押される場所の状態」が大切です。

 

お灸の前後でツボの変化を確認

お灸をするとツーンとした熱自体が心地よいのですが、
お灸の前後で変化を確認してみましょう。

痛みの変化、皮膚の変化(凹みが小さくなったりします)
動きがスムーズになるかどうか、血行が良くなって赤みがあるかどうか。

お灸を1つするのか3つするので違いがあるかどうか
(1か所最大3つくらいまでです)。

お灸は一日に1回で十分ですが、患者さんを診ていると
お灸を継続する期間によって得られる恩恵があると感じています

 

ご自宅でのお灸の注意点

お灸をする時は「いわゆるツボ」に加えて、押して痛いところ「阿是穴」を
使うことで一定の効き目が期待できるという話をいたしました。

しかしながら、痛む部位=原因部位ではないこともあります。

例えば、手にしびれや痛みがあったとしても、首が原因であったり、
肘が原因であったりと痛い部分と原因部位が一致しないことがあります。

押して痛むところにお灸をすると効果があるときはいいのですが、
効果がないときは他の原因が考えられます。

状態を正確に判断をして治療部位を変える必要があります。

また、ご自宅でお灸をされるときに注意すること も併せてご確認ください。

ご自宅でのお灸の適応と限界を知りながら、日常生活にうまく取り入れていただければと思います。

 

  • 押して痛いところ、動かして痛いところも立派な「ツボ」です。
  • 押し方にもコツがあります。
  • お灸の前後でツボ、痛み、動きの変化を確認しましょう
  • お灸は注意点を守って、日常生活に取り入れてください
  • ツボの場所を示した簡単なリーフレットもご用意しております。

ご自宅でお灸をされるときに注意すること

せんねん灸

 

ご自宅でお灸をされるときに注意すること

 

ご自宅でお灸をされるときにはいくつか注意点があります。

 

以下のことを守っていただき、ご自身の体調と相談しながら
お灸をうまく使っていただきたいと思います。

 

お灸を避けるべき時

  • 発熱時
  • アルコール摂取前後(お酒がまわりやすいことや、それにともなって転倒などの危険もあります)
  • 入浴、運動前後30分(のぼせやすいことや、水泡ができやすくなる可能性があります)
  • 食後30分
  • 過度の疲労・睡眠不足
  • 糖尿病などの神経・血行障害のある方(特に末端へのお灸はさけてください)
  • 顔面部、陰部へのお灸
  • 血圧の変動が激しいとき

 

妊娠中の方は、医師または鍼灸師にご相談の上でお灸をなさってください

 

ご自宅にお子さんがおられる方は、お子さんの手の届かない
ところに保管をお願いいたします。

 

お灸の後は、水などを使って火が消えたことを確認し、
火の元に十分注意してください。