埼玉県春日部市の鍼灸院 はり・きゅう はりも

〒344-0058 埼玉県春日部市栄町1-279
Tel:048-763-5323
【文献】小児の過活動膀胱に対する経皮電気鍼刺激

【文献】小児の過活動膀胱に対する経皮電気鍼刺激

小児の過活動膀胱に対する経皮電気鍼刺激:パイロット研究 

Percutaneous electrical stimulation for overactive bladder in children: a pilot study.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30414712

 

*自己学習も兼ねて、鍼灸の海外文献を紹介する記事です。
誤訳の可能性もありますので原文での確認をお願いいたします。

小児の過活動膀胱に対して、仙骨部に電気鍼を使った報告です。

 

[目的]

小児の過活動膀胱(OAB)を治療するため、週1回の経皮的電気鍼神経刺激(PENS#¹)
の有効性(耐性および安全性)を評価すること。
 
 
[方法]
 
OABのため、PENSを受けた4〜14歳の子どもの前向き症例。
 
仙骨神経刺激のために、S3を左右対称に鍼が行われた。
 
OABを有する18人の子供は、毎週PENSを20週間受けた。
周波数は10Hzであった。
 
強度は、参加者が許容でき、運動閾値に達することない範囲で、
最大10mAまでとした。パルス幅は600μs。
 
患者の排尿履歴を、構造化アンケートを用いて治療前に評価した。

機能不全排尿スコアリングシステム(DVSS)#²は、
下部尿路機能不全の症状を定量化するために、治療の前後に用いられた。
 
ビジュアルアナログスケール(VAS)を用いて治療結果を評価した。
 
 
[結果]
 
参加者は7人の男児と11人の女児(平均年齢、7.82±2.45歳)。
 
VASでは、症状は66%の患者で解決された。
 
ベースライン時のすべての小児にあった尿意切迫感は、
84%で解決された(P = 0.001)。
 
尿意切迫感のない無意識の失禁を有する患者の割合は、
治療前の77%から27%に減少した(P = 0.04)。
 
失禁は、治療後16人の患者のうち13人で解決された(P = 0.001)。
 
ベースライン時に頻尿のあった12人の小児のうち1人だけが、
治療後に病状を訴えた(P = 0.04)。
 
すべての症例で再発性尿路感染が解消した(P = 0.001)。

夜間夜尿症に関しては、14人の小児のうち9人で治療が成功した(P = 0.004)。

 
 
[議論]
 
この新しい方法の背景にある理論は、鍼を使用することで
皮膚の電気抵抗を克服し、電極の先端と仙骨神経との間がより近いことで、
週1回の治療で仙骨の経皮的電気神経刺激と同等のメリットを
もたらす十分な刺激量となり、より効果的な刺激となる。
 
 
[結論]

経皮的電気神経刺激は、短期間にわたりOABの有効かつ安全な治療で
あると思われる。さらに、対照群を用いた研究が必要である。

 

[読んでみて]

パイロット研究(予備研究)のため、今後本格的な研究に移っていくのかもしれません。

そのため、患者数も18名と小規模の研究です。

しかしながら、尿意切迫感や夜尿症などの症状に改善が見られている点が
参考になります。

結論にもあるように、皮膚表面、皮膚以下の組織との刺激を比較することで、
効果の違いがみられるとより興味深いと思われます。

 

#¹ PENS:経皮的電気鍼刺激:鍼通電による神経刺激の手法。
TENSは皮膚にパッドを貼る電気刺激、PENSは鍼を2か所に刺し電気刺激を行うもの

#² DVSS:小児下部尿路症状に対する公的な質問票

« »

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です