慢性疼痛患者に対する鍼の効果の持続性についての文献紹介(メタアナリシス)
The persistence of the effects of acupuncture after a course of treatment: a meta-analysis of patients with chronic pain.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27764035
*自己学習も兼ねて、海外論文を紹介する記事です。
誤訳などの可能性もありますので原文での確認をお願いいたします。
[背景]
鍼の効果が持続する期間については明確ではないのが現状
[目的]
慢性疼痛に対する鍼施術について、質の高い無作為化試験からの
大規模な個々の患者データを使用し、鍼施術後の疼痛スコアの
軌道を定めることを目的とした。
大規模な個々の患者データを使用し、鍼施術後の疼痛スコアの
軌道を定めることを目的とした。
[対象]
利用可能な個々の患者データは、29回の試験および17,922人の患者に及びます
慢性疼痛状態には、筋骨格痛(背中、首、肩)、
膝の変形性関節症、および頭痛/片頭痛が含まれています。
膝の変形性関節症、および頭痛/片頭痛が含まれています。
メタアナリシス技術を使用して、施術後の疼痛スコアの軌道を定めた。
6376人の患者を含む20件の試験では、長期間のフォローアップに
関するデータが利用できた。
関するデータが利用できた。
[結果]
鍼施術と鍼を使用しない施術(待ちリスト、通常のケア、など)を比較すると、
施術の終了後では、3か月ごとの計測でエフェクトサイズは減少し、
0.011と有意差がない(95%信頼区間:-0.014 to 0.037 P = 0.4)
施術の終了後では、3か月ごとの計測でエフェクトサイズは減少し、
0.011と有意差がない(95%信頼区間:-0.014 to 0.037 P = 0.4)
中央値は、鍼の効果の約90%は対照群と比較して12ヶ月持続することが
示唆されている
示唆されている
鍼と偽鍼との比較試験では、3ヶ月毎で0.025 SD
(95%信頼区間:0.000-0.050、P = 0.050)の効果サイズの減少が観察され、
12ヶ月で約50%の減少が示唆された。
(95%信頼区間:0.000-0.050、P = 0.050)の効果サイズの減少が観察され、
12ヶ月で約50%の減少が示唆された。
慢性疼痛患者に対する鍼の効果は、12ヶ月時点で大幅な減少は見られない
[結論]
患者は一般的に施術効果の持続により安心できる。鍼の費用対効果の研究は
効果の持続時間を考慮して、今回の調査を考慮に入れるべきである。
効果の持続時間を考慮して、今回の調査を考慮に入れるべきである。
さらなる研究は、鍼施術の長期的なアウトカムを測定すべきである。
[読んでみて]
鍼の効果の持続性は、患者さんを拝見していても千差万別です。
初診時や経過観察中の状態、施術による反応、今までの事例や
経験も踏まえて、当院での見通しを伝えるようにしています。
経験も踏まえて、当院での見通しを伝えるようにしています。
慢性疼痛のように、長期の痛みは患者さんの病態や心理・社会的背景が
複雑であることも多く、良くも悪くも見通しが早い場合や遅い場合があり、
予測しにくいことがあります。
複雑であることも多く、良くも悪くも見通しが早い場合や遅い場合があり、
予測しにくいことがあります。
フルテキストを読んでみると、腰痛、ひざ痛、肩の痛み、頭痛、片頭痛、
変形性関節症、頸部痛の慢性疼痛が対象となっていますが、例外的に慢性の
頸部痛における鍼の効果は経時的に減少傾向がみられる結果となっています。
変形性関節症、頸部痛の慢性疼痛が対象となっていますが、例外的に慢性の
頸部痛における鍼の効果は経時的に減少傾向がみられる結果となっています。
なぜ頸部痛だけが減少傾向なのかは書かれていません。
さらなる研究が必要と記されています。
経験的には少しでも「運動」など、身体を動かされている方の
ほうが経過が良い気がいたします。