[文献]鍼治療の効果は、鍼の感覚と操作に依存するのか?

[文献]鍼治療の効果は、鍼の感覚と操作に依存するのか?

Does the effect of acupuncture depend on needling sensation and manipulation?

PMID: 23642953

*自己学習も兼ねて鍼灸の海外文献を紹介する記事です。
誤訳の可能性もありますので、原文の確認をお願いいたします。

鍼治療では、鍼を皮膚表面に接触し刺入しないものや、
皮膚表面に浅く刺す方法、また筋肉など深部に刺す方法などがあります。


さらに、刺してすぐに鍼を抜く方法、刺しまたまにしてしばらく置いておく方法、
上下や回転を加える方法があります。つまり鍼を「操作」することがあります。

鍼灸を受けたことがある方は、鍼をされたときに、独特の「感覚
経験されていると思います。

その「感覚」が施術効果と関係があるかを研究した文献を紹介します。

[背景]

鍼の感覚と操作は、鍼治療の重要な要素であると考えられてきました。
しかし、鍼の感覚が治療効果と関連しているかどうかについての研究は限られていました。
この研究では、鍼の操作による感覚と鎮痛効果の関係を検討しています。

[方法]

53人の健康なボランティアが、単盲検のクロスオーバーデザインで、
表層の鍼(0.3cm)、深層の鍼(2cm)、双方向の回転を伴う鍼の
3つの異なる形態の鍼治療を受けた。

鍼治療の効果は、圧痛覚閾値を用いて評価した。
鍼の感覚の測定は、2つの方法で行った。

[結果]

鍼全体の感覚と押圧痛覚閾値の上昇は、回転を伴う鍼で最大となり、
次いで深層鍼、表層鍼の順であった。

有意差があるかどうかを評価するために反復測定分散分析(ANOVA)を行ったところ、どちらも有意差があった(p = 0.000, 0.003)。

また、ペアサンプルt検定を行ったところ、回転させながらの鍼は、
表層の鍼と深層の鍼の両方に有意差があることがわかった。

さらに、鍼全体の感覚と圧痛覚の変化の相関関係をピアソン相関で計算したところ、
有意な相関関係があった。(p=0.002、p=0.013)

[結論]

鍼の深さと回転に応じて、鍼感と圧痛覚が増加する。
特に、鍼の回転に伴い、両者は有意な増加を示した。

また、鍼の刺入感と圧痛覚の増加との間には、有意な相関関係が認められた。
鍼の効果を確認するためには、鍼の回転と鍼の感覚が
重要な役割を果たしていると考えられる。

[読んでみて]

鍼を表層に刺すか、深層に刺すかは目的によって変わります。
私自身も深さを使い分け、鍼の操作も行います。

深層で鍼を操作するときは、硬くなった組織をさらにゆるめるとき、
施術の後半や仕上げで行う場面が多いですね。

皮膚表面で鍼を回転させてもまた異なる感覚・効果もあり、
この文献の結果には納得がいく点が多いです。

参考記事

鍼のひびきの研究-顔面神経麻痺(ベル麻痺)

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