「予防」としての鍼灸-体調管理の手段として

「予防」としての鍼灸-体調管理の手段として

鍼灸について:鍼灸だからお役にたてること

鍼灸治療を知っている、さらに実際に治療を受けたことがある方は全人口の4%と言われています。

この数字は多いのでしょうか、それとも少ないのでしょうか。

鍼灸は昔からある治療法です。「痛い」「熱い」といったマイナスイメージもありますが、具体的に何に効果があるのかよくわからないという声もよく聞きます。
それは鍼灸が医療としての選択肢にまだまだなり得てないあらわれかもしれません。

「はり・きゅう」といえば、やはりおじいさんや、おばあさんのの肩こりを思い出す人も多いと思います。少し高齢の患者さんからは、子供のころにお灸を据える手伝いをさせられたという話もよくききます。

鍼灸を受ける多くの方の症状は、首、肩、腰、膝などの痛みや手足のしびれです。そのような運動器系の痛みや関節拘縮の改善だけでなく、「何となく身体がだるい」「寝つきや寝起きが悪い、ぐっすり寝た感じがしない」「食欲がない」などそんな身体の不具合を整えるのも鍼灸の役割のひとつです。

もちろん、すべての症状を改善できるほど万能ではありませんが、お薬などの治療手段がうまく合わない方、痛みどめだと胃に負担がかかる方など、鍼灸だからお役に立てるケースもあると思っています。

鍼灸院にお見えになる患者さんは、症状をこじらせた状態や他に治療の選択肢がなくなった方が多く、最初に鍼灸院にお見えになることはあまりありません。
そうして最後に出会った鍼灸が功を奏した時は、患者さんだけでなく私も嬉しく思うとともに、もっと鍼灸を身近な医療にという気持ちがあります。

「予防」としての鍼灸

最近、「未病」「予防」についてテレビや、新聞で伝えられることが多くなりました。
病気ではないけれども決して快調ではなく、昔のように一晩眠っても、翌日に疲れが残っていることなどは誰でも経験されていると思います。

「未病」は病気になる前の段階や病後の回復段階ではあるけれども、まだ万全ではない状態。快調な状態と病気の状態との丁度中間に位置するのではないでしょうか。
一般的には病気になったときに、お薬やその他の方法で対応することが多いと思います。重複しますが、鍼灸院にはじめて来院される方は、慢性的な症状の方、いろいろ行ったがよくならないので藁をもすがる思いでこられる方などが多いと思います。

いわゆる症状を「こじらせた」方です。
鍼療は「未病」の段階や、症状があらわれた初期のほうがより効果的です。
たとえば、頚・肩こりなどから起こる頭痛などは、頭痛が起こる前の頚・肩こりなどが始まったとき。具体的には、事務員の方などは月末の事務作業が集中するとき、主婦の方は編み物をしたときなど。



患者さんによってさまざまな状況、原因があると思います。それらに対応した鍼灸治療と日常生活の改善が「予防」につながります。
「予防」によって痛みや、だるさなどつらい症状を避けることができるばかりか、結果的に貴重な時間や、経済的損失なども抑えることができます。

痛い時にはまずその「痛み」を取る治療がもちろん大切です。
さらに「予防」を意識していただくと、対処的ではなくなり、再発を防ぐなどの根本的な対応ができます。
なぜその症状があるのかを一緒に考えることで、治療内容も変わり、効果も変わります。はりとお灸は即効性もありますが、適度な頻度でじわじわ効いてくる面もあります。

鍼灸だけの効果とは言い切れませんが、「気づいたら今年は風邪をひかなかった」「お通じが順調になっていた」などと定期的に受診されている患者さんから教えてもらうことがあります。

鍼灸治療を受けておられる方も、そうでない方も治療を受ける「タイミング」「頻度」は治療効果やその後の経過にも大きく違いがあります。
「予防」や「体調管理」としての鍼灸の利用を当院ではおすすめしています。

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