鍼のひびきの研究-顔面神経麻痺(ベル麻痺)
前回は「鍼のひびき(得気)」について紹介いたしました。
今回は顔面神経麻痺における鍼のひびきについての研究について書きます。
原著論文は下記となります。
2013年2月に発表された新しい研究です。方法は以下の通りです。
ベル麻痺の患者、338人が対象です。
プレドニゾロン(ステロイド)の治療は全員が受けています。
167人を鍼治療(ひびき(得気)有)と
171人を鍼治療(ひびき(得気)無し)の2つのグループにランダムに分けています。
半年後の顔面神経機能を指標としています。
338人中、316人が最後まで経過観察されています。(追跡率93.5%)
結果は、鍼のひびき(得気)があった方のグループの方がひびきがなかった方の
グループよりも顔面神経の機能回復において良好であるというものでした。
前回は鍼のひびきの効果については不明な部分が多いというお話をいたしました。
今回は経験ではなく、実際の1つの研究において鍼のひびき(得気)の
有無が効果に影響しているということがわかりました。
こういった研究で、鍼灸のまだまだ不明な部分が少しずつ明らかになり、
経験知を裏付けることは患者さんにとっても、
治療者にとっても有益なことと思われます。
顔面神経麻痺については過去の記事、
「末梢性顔面神経麻痺(ベル麻痺)-鍼灸治療の役割」も参考にしてみてください。
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