埼玉県春日部市の鍼灸院 はり・きゅう はりも

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顔面神経麻痺(Bell麻痺)と鍼灸

顔面神経麻痺(Bell麻痺)と鍼灸

顔面神経麻痺と鍼灸

「末梢性顔面神経麻痺」はある朝起きたら、顔面を中心に違和感を感じて
発症することが多いようです。

寝不足や、過労、ストレスなどが背景にあることが多いですが、
ヘルペスウィルスが主な原因となります。

記事の後半には顔面神経麻痺の鍼灸症例を紹介しています。

顔面神経麻痺の症状


顔面神経が顔の表情をつくる筋肉をうごかすため、顔面神経麻痺になると、
以下のような症状がでます。

・眉が上がらない

・目がつぶれない

・歯をむけない

・口がすぼめない

・鼻唇溝が浅くなる

・口角が下がる

・飲み物がもれる

他の症状

顔面神経は顔の表情だけでなく、味覚、唾液、涙などにも影響します。

以下の症状が多いと、回復に時間を要すると思われます。

・発汗障害

・味覚障害

・唾液分泌障害

・涙液分泌障害

・聴覚過敏

病院での治療


「顔面神経麻痺」の可能性がある場合は、まず「耳鼻科」を受診してください。

「顔面神経麻痺」の原因はウィルス感染以外にも様々なものがあります。

治療のメインとなる「副腎皮質ホルモン」は後に紹介する「病的共同運動」の
予防につながるとも言われています。

またENoGとよばれる電気生理学的検査により、顔面神経麻痺の重症度や
麻痺の回復期間を判定できる検査などもありますので、できるかぎり早く
病院への受診をお勧めします。




・入院・外来での副腎皮質ホルモン投与(10日-12日)

・抗ウィルス薬
・メチルコバラミン

(星状神経節ブロック注射)

原因


単純ヘルペスウィルス1型(HSV-1)の再活性化によって発症する。

ウィルスによる炎症で神経に浮腫が起き、「顔面神経管」という「管」を通る「顔面神経」が絞扼され様々な症状を引き起こすといわれています。

ベル麻痺とハント症候群で顔面神経麻痺の9割を占める。

予後


・8割は自然回復

・2割は半年かかることもあるといわれています。

・病的共同運動がある方は、後遺症が残ることがあります。

*病的共同運動:まばたきをすると、口角が動いたり、食事の際に涙が出たりなど
 自分の意志とは別に複数の箇所が同時に動いてしまうこと。
 遅発性といわれ、発症時ではなく、後からでてくる可能性がある症状。

顔面神経の走行

顔面神経 枝


顔面神経は枝分かれして、顔面の各部位につながっています。
そのため、様々な部位に症状があらわれます。

*神経の走行には破格も多く、必ずしも下記のようになっているわけではなく、
顔面神経の枝が複数の筋肉に分布する割合は個人差があるようです。

・側頭枝→前頭筋→眉毛・まぶたが下がる

・頬骨枝→眼輪筋→まぶたが閉じない(眼の痛み・涙目)

・頬筋枝→上唇挙筋・口輪筋→口角・上口唇が引き上げられない・鼻唇溝の消失

・下顎縁枝→口角下制筋→口角が引き下げられない

・頸枝→広頚筋

顔面神経が動かす顔の筋肉

顔面神経 筋肉

顔面神経が顔の表情をつくる様々な筋肉を動かします。

図にある筋肉はその一部となります。
「顔面神経麻痺」になると、これらの筋肉が麻痺することで、動きに制限が現れます。

顔面神経麻痺と鍼灸

顔面神経 ツボ

「顔面神経麻痺」に対する鍼灸施術は、顔面神経の走行上に位置する
いわゆる「ツボ」を使用します。

東洋医学的ないわゆる「ツボ」というよりは、顔面神経に関わる
解剖学的に重要な組織である筋肉、神経、血管が「ツボ」の位置に
近いということです。

「ツボ」をランドマークとして、触診により筋肉の拘縮や緊張、
冷えなどの反応を探します。

鍼やお灸を使うことで、神経周辺の血流を促し、回復を図ります。
また、麻痺した筋肉の動きを取り戻すことが目的となります。



浅い鍼を行い、20分ほど置きます。

電気温灸器で反応部位を中心に熱を加え、電気ていしんで
下記の静脈に沿って血流の改善を行います。

顔面神経は耳たぶの後ろ(翳風)から、顔に分布するため、
棒灸なども使用します。

側頸部・肩などの緊張も多いことから同時にそちらも施術しています。

顔面 静脈

鍼灸の施術の頻度は、重症度や発症してからの時間などにより異なります。
発症から2.3週間頃にお見えになる方が多く、最初の1.2か月は週に2-1回、
その後は2週間に1回くらいを目安としています。

顔面神経麻痺の鍼灸症例

50歳 男性
左顔面神経麻痺

現病歴

2週間前に左顔面部に違和感を感じ、翌日総合病院を受診。

ブレドニン、メチコバールを処方され、特に次の受診は決まっていない。
入院はなく、外来での点滴もなかった。

現在は、左目が完全に閉じれない、まぶしくてサングラスをしている。
頬が垂れる感じ。噛むときに力が入らない。

当初、耳鳴りはあったが、現在はない。
発汗、味覚に問題なし。

発症前は仕事が忙しく、ほとんど休まず。睡眠も3,4時間が平均。
外傷、風邪などはない。

鍼灸で治った人がいると聞き、鍼灸院を探してきた。
鍼灸受診経験はない。

初診

左上側臥位にて、セイリンJSP1寸3分・3番鍼にて置鍼20分。

前頭筋、眼輪筋、頬筋、上唇挙筋、口輪筋、口角挙筋、口角下制筋、
胸鎖乳突筋などを対象。

後頚部・側頚部・顔面部に電気ていしん。
しっかり睡眠をとって休むこと。顔面部、頚部を冷房などで冷やさないこと。

第2回

前回の施術に電気温灸器syoukiを加える。
口輪筋、上唇挙筋、前頭筋に緊張がみられる。

第3回

まぶしさはまだあるが、以前より目は閉じれるようになった。
上唇挙筋の緊張がまだある。

第4回

見た目が他人からみてもよくなっていると言われる。
鼻唇溝の左右差はほぼない。

目は特に改善を感じる。口の周りの力がでにくいこと、
頬がたれる感じはまだ残っている。

第5回

調子はよく。目は気にならない。

左口角外方、左頬部に5ミリほどの緊張部位が残っているが、
日常生活に支障はないとのこと。

経過をみることに。

参考文献


・顔面表情筋(眼輪筋および口輪筋)の支配神経に関する研究 昭和医会誌 第72巻 6号
・「ネッター解剖学アトラス」 南江堂
・「鍼灸師・柔道整復師のための局所解剖カラーアトラス」 南江堂

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