[文献]咀嚼筋膜痛患者の痛み、下顎機能、口腔の健康関連QOLに対する鍼灸治療。ランダム化比較試験

[文献]咀嚼筋膜痛患者の痛み、下顎機能、口腔の健康関連QOLに対する鍼灸治療。ランダム化比較試験

顎関節症の患者さんは、時折お見えになることがあります。
また顎関節症でなくても、口を閉じるときに使う「側頭筋」などの緊張は
ほとんどの患者さんにみられます。

今回の文献は「痛み」だけでなく、「下あごの機能」「口腔衛生」に対する
鍼灸の効果を検討した内容です。

[背景] 咀嚼筋膜痛は、顎関節症(TMD)の中でも最も多く見られる症状です。
主に咬筋や側頭筋に影響を及ぼします。
鍼灸治療を含むいくつかの治療法が推奨されている。
しかし、システマティックレビューでは、研究のギャップや決定的な結果が
得られていないことが強調されている

[目的]

ランダム化比較試験を実施し、咀嚼筋膜痛を有する女性の疼痛、
下顎機能、口腔健康関連QOLの改善における鍼灸治療の効果を評価した

[方法]

Research Diagnostic Criteria for Temporomandibular Disorders(RDC/TMD)*¹に基づいて咀嚼筋膜痛と診断された36名の患者を、
鍼治療群と対照群(非刺入鍼)に分けた。

治療は週1回、5週間にわたって行われ、治療の1週間前、治療の1週間後、
治療の1ヶ月後に、痛み、下顎機能、口腔衛生関連QOLを評価した。
時間および治療群間の比較には、ノンパラメトリックおよび
パラメトリック検定を用いた(有意水準はP≦0.05)。

[結果]

鍼灸治療群では、対照群では認められなかった疼痛の有意な減少が認められた(P≦.01)。
痛みの強さは、治療後1週間で61%、1ヶ月で84%減少した。
両群とも,下顎機能と口腔衛生関連のQOLが経時的に有意に改善した(P≦0.01)。
統計解析では,その他の評価については,両群間に有意な差は認められなかった
(P > .05)。

[結論]

鍼灸治療は痛みの軽減に有効であったが、非特異的な要因が両群の下顎機能および
口腔衛生関連QOLの改善に影響を与えた可能性があり、
この点についてはさらに検討する必要がある。

[読んでみて]

フルテキストを確認できていませんが、結果からは「痛み」以外の
「下顎機能」「口腔衛生」についてはの効果は明らかではありません。
さらに文献を探す必要がありそうです。

参考記事

*¹Research Diagnostic Criteria for Temporomandibular Disorders(RDC/TMD):
 顎関節症の国際診断基準

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