【文献】腰痛があるドライバーはゲルシートクッションが良いかも

慢性腰痛で仕事で運転をされる方には
ゲルシートクッションが良いかもしれません

職業柄運転が中心となる仕事の方には、腰痛でつらい思いを
されている方が多くいます。


鍼灸の研究報告ではありませんが、生活上の管理は腰痛対策
として非常に重要です。

比較的新しい以下の報告は、腰痛管理のひとつとして
お役にたてるかもしれません。

*自己学習も兼ねて、海外論文を紹介する記事です。
 誤訳などの可能性もありますので原文での確認をお願いいたします。


Effect of gel seat cushion on chronic low back pain in occupational drivers:
A double-blind randomized controlled trial.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30290629

【文献】職業性ドライバーの慢性腰痛に対するゲルシートクッションの効果
二重盲検ランダム化比較試験

背景
腰痛(LBP)は、非常に一般的な症状であり、医療および
社会的に重大な負担となる。

長期間座ることは、腰痛の一般的な悪化要因です。
シートクッションは快適性を促進し、圧力を軽減し、姿勢を
修正することが知られているが、慢性腰痛に対するその効果は
まだ調査されていない。
この研究は、職業性ドライバーにおける慢性腰痛に対する
ゲルシートクッションの臨床効果を評価することを目的とした。
方法
 
慢性腰痛を6ヶ月以上継続する職業運転手が採用された。
被験者は二重盲検で無作為に2群(ゲルおよび発泡クッション群)に
割り当てられ、運転中に提供されたクッションを使用するよう指示された。
痛覚閾値および組織硬度は、デジタルアルゴメーターを使用して、
圧痛点で測定した。プライマリエンドポイントの分析には
数値疼痛強度尺度(NPIS)、ローランド・モリス障害性
アンケート(RMDQ)、オスウェストリー障害指数(Osw)を
使用したが、第2エンドポイントには
Beck Depression InventoryおよびShort Form-6Dが使われた
 

結果


被験者80名中75名(ゲルクッション群40名、発泡クッション群35名)を
分析に含めた。

両群とも、クッション使用後のNPISおよびODIスコアの
有意な改善を示した。

Beck Depression InventoryおよびShort Form-6Dスコアの結果は、
ゲルクッションの使用が有意に有用であることを示した。

NPISスコアの変化は、ゲルクッション群では
発泡クッション群よりも有意に大きかった。

 

結論

ゲルクッションの使用は、発泡クッションの使用に比べて
長時間着座した職業運転手のLBPを軽減するのに有効である。

 
読んでみて
トラックドライバー、宅急便、タクシーの運転手などの方は
座っている時間が長く、腰痛持ちの方も多いです。
運転している時間が最も長いので、その時間のセルフケアは重要となります。
長距離運転の場合は、休憩を入れてこまめに 休んだり、
車の外にでて少し歩いたり、立ったりをしてただくようにしています。
またシートの角度もあまり傾けすぎないようにしていただいています。
今回の報告であったゲルシートはアマゾンなどでも様々な種類が
でているようです。私自身はあまり運転もしませんし、
腰痛もありませんが、
比較的簡単にできる対策なので
覚えておきたいと思います。
*1  Numeric pain intensity scale(NPIS):痛みの強さを評価する尺度
*2  Roland-Morris Disability Questionnaire(RMDQ) 腰痛による日常生活の障害を患者自身が評価する尺度
*3  Oswestry Disability Index(ODI):患者立脚型の腰痛疾患に対する特異的評価法のひとつ
*4  Beck Depression Inventory: 抑うつの程度を客観的に測る自己評価表
*5  Short Form-6D(SF-6D):QOL尺度の評価
 

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