【文献】変形性膝関節症・股関節症における併存疾患の存在と臨床症状の予後:システマティックレビューおよびメタ分析

【文献】変形性膝関節症/股関節症における併存疾患の存在と臨床症状の予後:システマティックレビューおよびメタ分析

Presence of comorbidities and prognosis of clinical symptoms in kneeand/or hip osteoarthritis: A systematic review and meta-analysis.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29157670
*自己学習も兼ねて、鍼灸の海外文献を紹介する記事です。誤訳の可能性もありますので、原文での確認をお願いいたします。

[目的]
 i)変形性膝関節症/股関節症を有する人々における併存疾患の存在と疼痛および機能障害の重症度との関連性を見つけること
(ii)特定の併存疾患(心疾患および/または高血圧、糖尿病、うつ病、および腰痛)と症状の重症度との関連性を探索すること

[方法]
研究は、4つの電子データベースおよび灰色文献#¹の系統的検索を通じて割り出し、その後、方法論的に評価された。
対象となった引用は、変形性膝関節症/股関節症を有する人で、自己申告による併存疾患と重症度、疼痛や機能障害にもとづく症状との直接的な関連性についての情報を、横断的または縦断的研究、ランダム化比較試験によって提供された。 低〜中程度のバイアスリスクのうち、少なくとも2つの引用が利用可能な場合、ランダム効果メタ分析を実施しました。
エビデンスそのものの質は、Cochrane推奨の方法を用いて決定された。

[結果]
対象となるすべての引用(n = 26)のうち、17件の研究がメタアナリシスにあった。中程度のエビデンスで様々な併存疾患と痛みの悪化とのつながりが明らかにされた(回帰係数(95%信頼区間(CI)):0.18(95%CI:0.14,0.22)

身体機能のパフォーマンス(0.20 (95%CI:0.10,0.29))。心臓病および/または高血圧(自己申告:0.08(95%CI:0.01,0.16)、身体機能のパフォーマンス:(0.11(95%CI:0.02,0.20))腰痛(自己申告:0.12 (95%CI:0.04,0.20))は、以上、これらはは身体機能の低下を予測した
糖尿病は、より悪い痛みと関連していた(0.10(95%CI:0.02,0.17))。 その他の知見は、有意ではないか質の低いエビデンスであった。


[結論]
変形性膝関節症・股関節症を有する人にとっては、程度の重い併存疾患による負担が、痛みや身体機能のパフォーマンスをより悪化させてしまう。
高血圧による心疾患、腰痛または糖尿病による併存疾患で苦しむことは、より重症度を増すかもしれない

[読んでみて]
下肢の変形性関節症のリスク要因のひとつに「体重」があげられると思いますが、
今回の報告では高血圧、心疾患、腰痛、糖尿病が挙げられています。
腰痛以外は循環器に関わる全身疾患です。

膝や股関節のケアをしながらも、併存疾患にも注意を向けることが、変形性膝・股関節症を悪化させないために大切であることが改めてわかる意義深い報告だと思われます。
#¹ 灰色文献:商業出版では入手困難な文献

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