膝の水はずっと抜かないといけないのですか?

 
「膝の水はずっと抜かないといけないのですか?」

「膝の水を抜くと癖になりませんか?」
 
この質問は本当によく聞かれます。
それだけ患者さんの疑問と不安があるからだと思います。
 
実際に患者さんを診てきた経験から、
その疑問と不安を解決できるように
解説したいと思います。

最後に鍼灸治療院としての当院の対応もお伝えします。

 

目次

  • なぜ膝に水がたまるか
  • 膝に水がたまったらどうするか
  • 膝の水を抜くと癖になるのか
  • 膝に水がたまらないようにするには
  • 鍼灸治療院である当院での対応
 

なぜ膝に水がたまるか

 
膝に水がたまるのは
「膝に負担がかかっている」からです。
 
その負担は主に3つとなります。
 
①使い過ぎ
②使い方
③体重増加
 
①「使い過ぎ」はまさに長年使ってきたということです。
 
②「使い方」は仕事・スポーツ・趣味などによる
習慣的な姿勢・動きです。
しゃがんだり、正座だったりと
膝を深く曲げたり伸ばしたりを繰り返すことです。
 
③「体重の増加」はいわゆる肥満、閉経後のホルモンバランス
による体重増加などがあります。
 
これらの負担により、軟骨がすり減り、骨と骨がぶつかり、
関節が変形すると「炎症」が起きます。
 
 
つまり様々な膝への負担が関節の「炎症」を引き起こし、
水がたまるということになります。
 
「炎症」と「水がたまる」ことについては、次でもさらに説明していきます。
 
 

膝に水がたまったらどうするか

 膝 注射
結論からいいますと、
整形外科を受診されてない患者さんには
受診を強くお勧めしています。
 
(既に頻繁に水を抜いている方、うまくいかなかった方については後ほど回答します)
 
もし膝に水がたまっていた場合、水を抜くことになります。
 
その理由のひとつが、水を抜くこと自体が「検査」であるからです。
 
抜いた水の中身が血液だったり膿だったりと、いろいろとわかることがあるのです。

濁りが強いほど炎症が強い傾向もあります。
 
水がたまる原因には様々な疾患があります。
変形性膝関節症・慢性関節リウマチ・
痛風・偽痛風・外傷などがあります。
 
レントゲンだけでなく、水を抜くことが原因を知るための検査となります。
 
理由の2つ目が「治療」です。
 
水がたまった状態は膝が不安定になり、
軟骨を破壊します。
したがって、水を抜いたほうがいいのです。
 
 
つまり、水を抜くことには
「検査」と「治療」の2つの役割があります。

膝の状態を知るためにも、整形外科への受診をお願いいたします。
 
 
 
 

膝の水を抜くと癖になるのか

 
既に水を頻繁に抜いている方は、
「癖になると困る」「いつまで水を抜けばいいのか」という
不安をかかえています。
 
 
これは、
「水を抜くと癖になるのではなくて、炎症が続いているために水がたまる」
というのが回答となります。
 

もともと膝関節には 「関節液」という
「必要な水」があります。

それが適量だといいのですが、「炎症」がおこると
量が増え、水がたまります。

膝の周りのしわがみえないくらい、パンパンになる方もいます。
 
「検査」「治療」の理由で水を抜いてもらうことは
決して悪いことではありません。
 
水を数回抜くだけで症状が治まる方もいます。
 
しかしながら実際は、水を抜きながらも、
「炎症」を引かせるアプローチが必要です。
 
 

水がたまらないようにするにはどうするか

 
水がたまらないように、「炎症」を引かせる、
「膝の負担を減らす」ために様々な方法があります。
 
  • ヒアルロン酸・ステロイドの注射
  • サポーター
  • テーピング
  • インソール
  • 消炎鎮痛剤
  • 湿布
すでにこれらの方法をされている方がほとんどでしょう。

鍼灸治療院である当院での対応

 
鍼灸治療院にお見えになる方は、
水を頻繁に抜いて、注射も行い、湿布を貼っていますが、
あまり改善が見られない方です。
 
当院では、下記のように対応しています。
膝に直接・間接的に関わる筋肉・腱・靭帯の状態を診て

股関節・足関節との関係を検討しアプローチしています。

膝裏・膝内側に多いむくみを減らし、
膝のお皿がよく動くようにする。
 

そのうえでご自宅で行っていただく運動・ストレッチ・生活上の工夫を
含めたセルフケアを個別に提案しています。

セルフケアについてはこちらも参考になさってください。
「膝の痛み-変形性膝関節症のセルフケア」
 

特に膝周囲の「むくみ」については大きな問題と考えています。

鍼・灸もつかいますが、膝に関しては、最近は微弱な電気治療器、
電気温灸器、手で見始めることがほとんどです。
以上のような方法で、炎症を出にくくし、
水がたまらないようにしています。
鍼灸の適応を超え、あまりに変形が強い場合は
手術などをお勧めすることもあります。
 
 
 

関連記事

PAGE TOP