シンスプリント
「シンスプリント」は「過労性脛部痛」「脛骨過労性骨膜炎」とも呼ばれ、
いわゆる「脛」を中心に痛みがでるスポーツ障害です。
走る人、ジャンプする人に多いと言われています。
シンスプリントかと思ったら
走ったり、ジャンプするなどして脛の周囲が痛くなったら
「シンスプリント」かもしれません。
「まずは病院を受診しましょう」
シンスプリントと似ている「疲労骨折の有無」を確認することが大切です。
レントゲンだけではわからないこともあり、
MRIが必要なことがあります。
シンスプリントで痛む部位
シンスプリントはタイプによって痛む部位にが分かれます。
脛の後面、後面内側部、まれに前面が痛みます。
痛みの原因となる筋肉
「後脛骨筋」・「ヒラメ筋」・「長趾屈筋」・「長拇指屈筋」
いずれも脛骨後内側縁に付着している筋肉です。(下図は右ふくらはぎ後面)
足首や足の指の動きに関係します。これらの筋肉の緊張がシンスプリントに影響します。
シンスプリントのタイプと痛みがでる仕組み
シンスプリントは痛む部位によって、痛くなる仕組みが変わります。
走る・ジャンプなどによる「足の筋肉の使い過ぎ」に加えて、
「扁平足」などが背景にあります。
①後面シンスプリント
脛の後側・後内側が痛くなります。
使い過ぎによる、ヒラメ筋・後脛骨筋・長趾屈筋・長母趾屈筋などの緊張
↓
足関節回内(回内足:下図参照)
↓
足関節不安定
↓
筋緊張・疲労
足指の筋肉低下(骨間筋など)
↓
内側縦アーチが下がる(下図参照)
↓
扁平足
↓
後脛骨筋の緊張
回内足(右足)
内側縦アーチ
②前面シンスプリント
脛の前側が痛くなります。
走る・ジャンプする
↓
踵に負荷
↓
踵の負担を和らげるために前脛骨筋が緊張
↓
脛の前側に痛み
シンスプリントの程度
痛む部位が脛の前側・後内側両方の場合、
走ったりジャンプの際に、踏切と着地の両方で痛い場合は
重症度が高い傾向があります。
MRIの画像診断などを通じて、医師に重症度の確認も
しましょう。重症型の場合、競技復帰や安静期間も長くなります。
セルフケアと注意点
安静・アイシング・ストレッチ・トレーニング・インソール・テーピングなどが
推奨されますが、重症度や時期(急性期など)によって中身は異なります。
また新しい靴や、シーズン初めに無理をしないよう
注意することも必要です。
シンスプリントと鍼灸
シンスプリントの原因となる筋肉は「深部」にあり、
それらの筋肉に直接アプローチできるところが鍼灸の強みと言えます。
(下図参照:右下腿の輪切り図)
原因となる筋肉を圧痛、動きから確認し、そこに刺鍼します。
一定の時間(あまり短すぎてもいけない)刺したままにしておくことで
緊張した筋肉がゆるみやすくなります。
原因となる筋肉の緊張を取り、前後左右のバランスを整えること。
扁平足の改善のため、足指の筋肉を鍛えること。
足関節の可動性を上げること、下腿のストレッチなどが
シンスプリントに対して必要と思われます。