埼玉県春日部市の鍼灸院 はり・きゅう はりも

〒344-0058 埼玉県春日部市栄町1-279
Tel:048-763-5323
お腹の張り、痛み、食欲不振:自宅でのお灸を中心とした症例

お腹の張り、痛み、食欲不振:自宅でのお灸を中心とした症例

 

もぐさとお線香

 

お腹の張り、痛み、食欲不振:自宅でのお灸を中心とした症例

 

鍼灸院では、腰痛、肩こり、膝痛など、関節や筋肉が原因の
整形外科疾患を診るのがほとんどです。

また、患者さんも鍼灸院にそのような印象を持っています。

今回は、そういった整形外科疾患ではなく、
腹部症状についての一症例を紹介いたします。


*下記症例は患者さん個人が特定されないよう、内容に変更を加えております。

 

機能性胃腸炎の鍼灸症例

患者
60歳代、女性、1年前からお腹の張り、痛み、
食欲不振でお灸を希望し来院した。

主訴
お腹の張り、痛み、食欲不振

受診動機
薬であまりよくならない、「お灸」に興味があった。
自分でもお灸をしてみたい。自分の手術などで疲れたのだと思う。

 

現病歴

2年前に大病を患い、そのストレスで一時的に食事がとれなくなった。
その後、食事に関しては半分くらい回復したが胃痛がではじめた.

1年前くらいから、お腹の張り、痛みが続き、最近は食欲もわかず、
あまり量も食べられない。

半年前に複数の病院で診察、検査(エコー、CT, 胃カメラ)を
してもらったが特に異常は見当たらない。機能性胃腸炎と診断される。

薬を処方されるがあまり改善がみられない。薬疹がでたので、
なるべくなら薬に頼らずに治したい。

現在は果物を食べただけで、お腹が冷えてしまい、胃痛がおきる。
お腹の張り、痛みは変わらず続いている。

これをすると良くなるというものはない。

近隣の内科で漢方薬、六君子湯、半夏厚朴湯、安中散を処方されている。
睡眠に問題はない。他には肩こりなどがある。

普段家事はしているが、あとは体を休めている。
趣味や運動にエネルギーをまわす余裕がない。

鍼は怖いので、お灸をしてほしい。

 

一般健康状態

食欲不振、発熱なし、睡眠正常、体重減少(1年で3㎏減)

 

方針

施術方針

医療機関で精査され、現在も通院中であるため危険な病気の
可能性は低いと判断した。

薬があまり効果的でなく、お灸に関心があることからお灸を
中心にした施術を行う。

ご家庭の事情から月に1度の施術頻度となり、慢性的な症状のため、
ご自宅でもお灸をしていだくようにしました。

また、「なぜ胃が良くならないのか」など疑問、不安などが多いので
なるべくそれに応え、「お灸は地道に長期で治していくもの」であることを
何度もお伝えしました。

第1回

経穴(ツボ):肝兪、脾兪、胃兪、腎兪、胸椎椎間、肩井、
風池、曲池、手三里、合谷、内関、足三里、中脘に糸状灸各3壮のみ。

施術後少しフワっとする感じがあった様子。

自宅にてせんねん灸ソフト(内関、合谷、足三里、脾兪、
胃兪、腎兪)を各1壮。
可能なら毎日から週3回ほどを行ってもらう。

第2回(30日目)

まだあまり効果が感じられない。腰椎から頸椎までの督脈上に
箱灸を加える。自宅灸を足三里、合谷は各3壮に増やす。

第3回(60日目

風邪気味だったので孔最、大椎、膏肓を加える。
自宅でのお灸では曲池に熱が入るのを感じて気持ちがいい。

腹部の症状については少しいいかもしれない。

第4回(90日目

肩こりがだいぶよくなってきた。お灸が全体的に気持ちよく感じる。

お腹の張り、痛みは減ったが。たまに胃酸が逆流する感じ、
胸やけがある。
足三里を灸点から外す。体重は初診時から落ちてない。
食事も三食きちんととれるようになってきた。

第5回(120日目)

調子がいいので、外出が増えた。胃の調子はだいぶ良い。

第6回(150日目)

久しぶりに旅行に行けた。いろいろ用事があって無理をすると
胃腸や体調を壊す時はあるが、食事は三食普通にとれるようになっている。

調子がいいせいか、自宅でのお灸が少し面倒になる日もでてきた。

 

「お灸はじわじわ効いていく面があります」

「腹部症状」は鍼灸院ではあまり一般的な症状ではありません。

今回は、医師の精査を受け、お灸に関心があり、施術頻度に
間隔があくため、
「自宅灸」をメインにいたしました。

原因が明確でない腹部症状であり、長期にわたって食事がとれない、
胃痛があるため、見通しに時間がかかることが推察されました。

当院では時間がかかると思われる症状や、受診間隔に制限がある患者さんを
支えるために、
「自宅灸」はひとつの手段になると考えています

なんでもはやく治るといいのですが、来院される患者さんの中には
今回のように時間のかかるものがあります。

施術する側も、患者さん自身も大変ですが、しっかりと経過を見ながら
地道にやっていくと今回のような良い結果につながることがあります。

施術開始初期は変化が出ないと、不安や疑問が次々にわいてくるのは
自然なことです。

しかしながら、そういった思いがありながらも、患者さんは数か月に
わたってよく地道にお灸をしていただきました。

後半に食事がとれ、外出が増え、最終的にはお灸自体が面倒になるのは、
身体と気持ちに変化がでてきた証拠だと思われます。

今回のように長期化し、医師の精査を受けて問題がなく、それでもほかに手段が
ないときがあります。

そういった場合、特に「お灸」は地道に積み上げていくものとして
有効な方法のひとつだと思っております。

estomago

« »

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です