鍼灸院での「めまい」は危険な兆候の除外から

「めまい」について

鍼灸院では「めまい」を訴える患者さんが少なくありません。「めまい」の原因疾患は本当にたくさんあります。
鍼灸院を訪れるほとんどの患者さんは、既に医療機関で検査や治療を終えています。
それでも、当院では最初に「手や、顔のしびれ」「嘔吐」「耳鳴りや難聴」「経験のない頭痛」など危険な兆候がないかを再確認するところから、はじめます。

まず「めまい」の危険な兆候を確認します

鍼灸院で大切なのは、治療をする前に見逃してはいけない危険な兆候「レッドフラッグ」の確認です。

生命にかかわる病気が「めまい」の背景にあるかもしれないからです。
病院の受診歴にかかわらず、「めまい」に伴い下記の兆候を確認した場合は、鍼灸施術をする前に病院での精査をお願いしています。

  • 呂律がまわらない(うまくしゃべれない)
  • 物が二重に見える
  • 手足や顔がしびれたり、うごかしにくい
  • うまく立てず、歩けない
  • 強い頭痛、だんだんひどくなっていく頭痛がある
  • 気持ち悪さ(悪心)が強く、吐いてしまう

さらに、高齢、高血圧、糖尿病、心臓や動脈の病気を持つ方、喫煙歴のある方には病院への受診を勧めています。

脳や心臓の病気が原因で「めまい」がおこっている可能性が考えられるからです。

また薬の副作用などで「めまい」がある患者さんもおられます。「薬を飲み始めた」「薬が変わった」「薬の量が増えた」などの病歴があれば、原因の一つとして考えられます。

鍼灸施術の対象と特徴

「めまい」を訴え、病院での精査も終え、危険な兆候もない方が鍼灸施術の対象となります。

睡眠不足、過労、ストレス、目を酷使する背景をお持ちで、首肩に強い緊張や精神的な不安を抱えている方が多い印象です。

先日、定期的に参加している勉強会のテーマは、「浮遊感」でした。患者さんが表現する「浮遊感」を正確に理解し、鍼灸施術ではどのようなアプローチをしていくかがポイントでした。

「浮遊感」を訴える患者さんは、生活状況の中でも特にパソコンの使用や、最近ではスマートフォンの長時間の利用などもあり、ほとんどの患者さんに「強い首肩こり」がみられる点が共通の見解でした。

さらに「強い首肩こり」に対する自覚があまりない患者さんが多い傾向があるといった報告もありました。

参加者全員が首・肩にアプローチする方針でしたが、他には首・肩以外にも下肢のバランスを重視して症状が改善したケースや、日常生活では睡眠状況、めがねの調整など多角的な視点で症状をみる必要があると改めて実感いたしました。

「めまい」や「浮遊感」は「痛み」はないのですが、不安を引き起こす症状です。
鍼灸適応の有無をしっかりと見極めたうえで、少しでも鍼灸施術がお役にたてればと思っています。

「めまい」に対する鍼灸施術

首肩の緊張は、自律神経の圧迫につながり、目や耳などの首から上の頭部への血流障害を誘発します。首肩を中心に治療を行い、患者さんそれぞれの状態に応じたツボにはり・お灸をいたします。
 
たとえば、パソコンの画面を見るのに目を酷使しますが、時間が経つにつれて、疲労が強くなり姿勢が前かがみになります。すると背部への緊張につながります。またキーボードのタイピングなどで指を使うと、手首、肘、肩、首と動きの連鎖で間接的に首、肩に負担がかかっていきます。

それらを踏まえて、首、肩以外にも治療をいたします。
そして、患者さんが元々持っている体質に応じたツボを選び、手足や背部も治療対象となります。
首肩の緊張が取れるだけでもずいぶん楽になるようです。少しずつ症状が軽減していくにつれ、「めまい」特有の不安感も減っていきます。

「めまい」をなるべくおこさないように注意しよう

生命にかかわらない末梢性の「めまい」(脳などが原因ではないもの)でも症状は激しく、トイレにもたてない時があります。

また、急な気温や気圧の変化などがあると、めまい患者さんの救急車による搬送が多くなると、以前に看護師さんから教えていただきました。

首、肩への負担をさけ、睡眠不足や過労に注意しておくことは、経験からも「めまい」予防につながると思います。

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