腰痛でも可能な範囲で楽しいことを続けましょう!
「腰痛の原因にはストレスが関係している」といった情報を
すでにご存知の方も増えてきています。
腰痛には「骨や椎間板などの痛み」、「神経の痛み」、
そして「ストレスなどの心因性の痛み」の3つが複合していると
言われています。腰痛の原因が「腰以外」にもあります。
画像検査と痛み
痛みがあっても、レントゲンやMRIなどの画像ではなんの
異常もなかったり、手術をしても痛みが消えない場合があります。
特に心の問題が残っていると、手術後も痛みが続くようです。
一方で、画像検査でヘルニアなどがみつかっても、7割の患者さんは
痛みを感じない場合があります。
骨折や腫瘍をみつけたりなど、画像検査は重要な検査法ですが、
「画像検査だけ」では痛みの原因を完全には把握できないようです。
新しい腰痛治療
画像検査にはうつらない「ストレス」ですが、腰痛への影響が
多いことがわかってきました。
したがって、患者さんの「ストレス」に焦点をあてるのが
腰痛治療の大切な柱になってきています。
一部の整形外科では、問診を丁寧に行い、患者さんの
心理・社会的問題の把握や、抗うつ薬、抗不安薬の処方、
精神科との協力体制など、心理面を重視した診療が始まっています。
このような取り組みにより、手術をする必要がなくなったり、
手術後の痛みが緩和した患者さんが増えているようです。
時間も手間もかかるとおもいますが、素晴らしいと思います。
自分でできる腰痛対策
慢性腰痛のポイントのひとつがストレスです。
よく「腰痛対策には筋トレだ」と聞きますが、
当院では「筋トレ」ではなく「運動」をお勧めしています。
「運動」といっても「歩く」程度の運動です。患者さんによっては
「運動=息が上がるような激しい運動」といったとらえ方をされます。
この「歩く」目的は、「安静にせず外に出る」です。
「安静」→「筋力低下」→「血行不良」→「痛み」の悪循環
「安静」→「腰痛にばかり意識が向く」の悪循環
この2つの悪循環を「運動」によって解消するのがひとつの方法です。
ストレスの考え方
ストレスの根本原因(職場環境や家庭問題)を解決は、そんなに簡単に
解決できないと思います。
また「気にしない」のも、意識して「気にしない」と
できる方はあまり多くないのではないでしょうか。
ストレスを取り除くよりも、
他に楽しいことをして腰痛に意識が向く時間を少しでも減らす。
「楽しいことをする」のが大切なポイントなので、
必ずしも「運動」でなくてもかまいません。
人に勧められた「腰痛にいいこと」よりも、ご自分が「楽しいと思えること」を
続けていただくのが大切です。
以前、身体のあちこちに痛みを訴えられた患者さんがおられました。
当院では鍼灸治療以外にも、日常のストレスなどの話をうかがったり、
いろんな提案もいたしました。最後には家庭菜園といった楽しみを見つけられて、
次第に来院される回数が少なくなり、たまに近況を報告していただいています。
家庭菜園は多少力も使ったり、しゃがんだりと、身体には負担のかかりそうな
ご趣味ですが、楽しいことをするのが身体と心にいかに良い影響を与えるかを
目の当たりにいたしました。
痛みがあると、実際にはなかなか難しいこともありますが、
少しずつでも「楽しいこと」に意識を向けるのは心身ともに
有益だと思われます。