五十肩-腕が上がらないから五十肩?
肩が痛くなったり、腕があがりにくくなったりといった症状を聞くと、「五十肩」と思われる方も多いでしょう。
そういった症状の方のお話を伺っていると、
- 「もう腕があがらなくなるのでしょうか」
- 「動かさないと、腕が固まり腕があげられなくなると言われました」
- 「痛いのを我慢して動かしたら、もっと痛くなりました」
「痛み」だけでなく、どのように対応すればいいのか戸惑いもあると思います。
「動かすべきか、動かさないべきか」は大きな問題です。
「五十肩」の症状は時間の経過で変化していきます。
「五十肩」という同じ名前でも時期によって症状が違うため、患者さんが話される症状も当然少しずつ違います。
「動かしたほうがいいよ」とアドバイスしてくださった方の「五十肩」と、
現在「五十肩」になってしまった方の症状は時期によって大きく違います。
「五十肩」の自然経過は主に3段階に分かれるといわれます。
- 安静にしても痛みがあり、夜には痛みが強くなり眠れない炎症の強い時期(炎症期)
- 安静にしている限り痛みはなく、夜も眠れるが腕が動かしづらくなる時期(拘縮期)
- 痛みも減り、動きも少しずつ回復していく時期(回復期)
痛みが減る一方で、動きは悪くなりますが、それも徐々に回復していきます。
- 炎症がある時期は痛みが強く、動かさないほうがいい時期です。
- 炎症がひき、痛みが減ってきたときに様子をみながら動かし始めるとよいでしょう。
そして「肩が痛い」「腕が挙がらない」といった症状は五十肩だけではありません。
周りの方の善意によるアドバイスも、もしかしたら「五十肩とは違う肩の疾患」である可能性もあります。
痛みの強い「五十肩」ですが発症してからの経過に応じた対応が大切です。
そしてその肩の痛みが本当に「五十肩」なのか、適切な判断は欠かせないと思います。