【文献】鍼灸による逆子治療の費用対効果-オランダの研究
鍼灸による逆子治療の費用対効果について,2010年にオランダの研究が発表されています。 原著はこちらです。
Cost-effectiveness of breech version by acupuncture-type interventions on BL 67,including moxibustion, for women with a breech foetus at 33 weeks gestation:a modelling approach.
治療に使用している経穴(ツボ)は、「至陰(しいん)」といって日本でも一般的に使われています。この研究でも同じ経穴を使っています。
対象は妊娠33週目で、逆子の胎児を持つ妊婦に対して、外回転術を含む待機的な管理にくらべ 鍼灸が費用と効果の面ですぐれているかどうかを研究しています。
結果は
・至陰を使ったグループ(鍼灸治療群)では 32%に逆子がまだみられました。帝王切開に至ったのは37%
・待機的な管理のグループ(通常群)では 53%に逆子がまだみられました。帝王切開に至ったのは50%
費用の面でも、鍼灸治療群が優れていたようです。
この研究では鍼灸治療群の方が逆子位の数が減り、帝王切開の数も減ったという結果が出ています。
待機的なグループでも約半数で逆子が矯正されています。 鍼灸治療群は約20%増しで効果があるということでしょうか。
費用においては、オランダではコスト減となりましたが、日本との医療費は違いがあると思いますので単純に当てはめることはできないと思います。
鍼灸の世界では至陰穴へのお灸は逆子治療で有名です。逆子治療に対してのお灸が有効かつコスト削減に貢献できれば、少しお灸の熱さはありますが選択肢としてもっと利用されてもいいと思っています。
逆子についてはこちらもご参考になさってください。
↓
逆子に対するお灸の効果-中国、イタリアの研究