睡眠時無呼吸症候群-体型はあてにならない

睡眠時無呼吸症候群-体型はあてにならない


最近よく耳にする「睡眠時無呼吸症候群」
鍼灸院にお見えになる患者さんでも、病院で治療中の方や診断を受けた方は珍しくありません。

日中の強い眠気だけでなく、「疲労感」を強く訴えます。鍼灸院で「睡眠時無呼吸症候群」を施術対象にすることはありませんが、そのリスクと、見極めなどをある患者さんの例を通じて紹介いたします。

こちらの症例は患者さんが特定されないよう変更を加えております。


患者 70代、女性
普段は仕事で腕をよく使い、、頑張りすぎると背中に痛みが出るため、鍼灸施術を受けていました。疲れたときは体の事を考え、積極的に休息を取り、定期的に健康診断を受けておられています。

最近、就寝中に2回ほど目が覚めるので、医師に訴えたところ、「睡眠時無呼吸症候群」の検査を受けるよう勧められました。患者さんご自身も「睡眠時無呼吸症候群」についてはご存知だったようですが、思い当たる症状はありません。検査の日程は決まっているようでしたので、少し確認をしてみました。

  • 起床時の頭痛はない
  • 日中の過剰な眠気はない
  • 独居ですが、昨年の娘との旅行で無呼吸やいびきを指摘されたことはない。
  • 糖尿病はコントールされており、心疾患の既往歴はあるが15年以上、症状はない。
  • 体型はやせ型


私自身は疲労感は普段の活動量や年齢を考えると、年相応のものかと思われました。また夜間の覚醒はありますが、入眠障害や早朝覚醒もなく、加齢による生理的なものと考えていました。

したがって「睡眠時無呼吸症候群」の可能性は低いと考えていました。(体型がやせていることに重きを置きすぎていたのだと思います)



1週間後に、患者さんは予定通り病院で検査をお受けになられ「睡眠時無呼吸症候群」と診断されました。CPAP(気道を広げ空気を送り込む医療機器)を使ってからは、疲労感も改善され、熟睡感もあり、夜間覚醒も解消され大変喜ばれています。顔色も随分よくなられました。

この患者さんはその後もCPAP(気道を広げ空気を送り込む医療機器)を使っておられます。更に疲労感も改善され、熟睡感もあり、より活動的になられました。顔色もCPAPによる治療開始から比較的早期によくなられたのですが、患者さんの知人からは、「顔色がよくなった」「若くなった」「目の下の隈が消えた」と言われることが増え、最近とても喜んでおられました。

睡眠状態が改善されると随分変化があるものだと思っていたところ、以下のような研究報告が最近ありました。

睡眠時無呼吸症候群、治療後の見た目の改善

20人の患者を対象に、2か月間CPAPを装着して検証しています。その結果は

  • よりきびきびした感じ
  • 魅力的
  • 若々しい
  • 治療状態を反映した顔の変化

以上のような変化がみられたと報告されています。健康状態が見た目にもあらわれ、患者さんの満足度にもつながっているのはとても良いことだと思います。原文はこちらをご覧ください。→睡眠時無呼吸症候群、治療後の外観の改善

「体型」は診断のあてにならないことも

「睡眠時無呼吸症候群」の85%は診断されていないといったデータがあります。
欧米人では肥満の方に多いのですが、日本人の3割から4割は肥満がなくても「睡眠時無呼吸症候群」であることがわかっています。体型が診断にはあてにならないですね。高血圧、糖尿病、心疾患との関係もあります。

また仕事で運転をされる方にとって、日中の眠気は事故の可能性を高めます。
最近は高齢者の一人暮らしも多く、同居している家族が見つける機会も少なくなっています。鍼灸院でも訴えのある「疲労感」「夜間の覚醒」などの症状について、「睡眠時無呼吸症候群」の可能性を積極的に考え、医療機関への受診を促していきたいと思います。

「疲労感」といった症状は単純に「疲れですね」で片づけられません。「疲労感」をきたす病気は多くあり、「疲労感」の意味するところを丁寧に聞き取り、年齢、性別、職業、既往歴などの様々な病歴から原因疾患を推察し、鍼灸院だけで完結しないよう心がけています。

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