急な痛みの時の対応
年末年始のお休みに大掃除や、洗車などをされて急に腰などを
痛める方がいらっしゃいます。
鍼灸に縁がなかった方も、飛び込みで来院なさることがしばしばあります。
「湿布や、お風呂でもよくならなくて」と訴えられることがよくあります。
スポーツなどをなさる方はご存知かもしれませんが、急な動作や
何かにぶつかったりといったことでおこる「急な痛み」はその後の対応で
経過が随分と変わります。
鍼灸施術も、急性のものと、慢性のものとでは方法が変わります。
たとえば、足をひねったりすることで起こる捻挫などは、
冷やさないでいるとあっという間にはれあがってしまい、熱をもってきます。
いわゆる「炎症」というものです。「炎」という字からも想像がつきますが、
すでに熱を持っているところに、お風呂などで温めて「熱」を加えると
炎症が強くなります。まさに
「火に油をそそぐ」ことになってしまいます。
「炎症が」強くなるということは、腫れや痛みも強くなるということです。
すぐに適切な冷やし方で対応すると、治りも早く、痛みも軽くてすみます。
適切な冷やし方のひとつに、手足ならバケツに氷水をいれて冷やすこともできます。
それが難しい肩や腰などは保冷剤をお勧めしています。
ほとんどのご家庭の冷凍庫にあると思います。
冷やし方
①保冷剤を炎症のあるとこと、痛みのあるところにあてます。
炎症があるときは、冷たさがここちよいことが多いです。
②冷たさが不快に感じたり、冷たすぎて痛い場合は
いったん保冷剤をとりましょう。
③少し休みを置いてから、痛む部位の熱が引き、痛みが
軽減されていればそれ以上冷やす必要はありません。
まだ熱をもっていれば、引き続き冷やしましょう。
ちなみに湿布は冷たい感覚はあるかもしれませんが、深部まで冷えません。
そして炎症や痛みが強い場合は、温めたり、入浴することで
悪化することが多いので、くれぐれもご注意ください。
患者さんからはよく「温めたほうがいいですか?冷やしたほうがいいですか?」と
聞かれます。
冬だと特に「温めたい、入浴したい」気分にはなるのですが、
「急な痛み」の対応ではありません。
温泉や、入浴で対応するのは「慢性的な痛み」「疲労」などです。
お風呂の心地よさよりも、「急なものか、慢性的なものか」を
判断の基準にしていただきたいと思います。
すこし複雑ですが、悪化させないためにも初期の対応は重要です。
迷ったときは遠慮なくご相談ください。