枕が合わない方へ

枕と首肩こりについて

「枕を変えてみたのですが、なかなかよくならなくて」
「枕はどういったものがいいのですか」

といった「枕」に関するお悩みや質問はよくお受けします。
首肩こりで悩まれている方は、「枕」が合わなくていろいろ試されています。
デパートなどで、首などを中心に体型を細かく測定し、その方に合ったオーダーメイドの枕をつくられた方。低反発、そば殻など素材で選ばれる方。
それでも納得がいかずご自身に合った枕を探し続け、多くの枕を持っている方はたくさんおられます。

「細かく測定した時、お店ではぴったりだったのに、今ではもう合わない」、確かに自分でも確認したはずなのに、こうした声があるのには理由があると思います。

首、肩の状態は変化します

 首から腰までの脊柱、いわゆる背骨は本来S字型で弯曲しています。
前後にある程度曲がっているのが、あるべき形です。

その弯曲は、骨を支える筋肉の緊張や弛緩によって角度が変化します。首だと「ストレートネック」といって、長期間の筋肉の緊張から頸椎がまっすぐになった状態となります。

短期間でも、パソコン仕事をして一日前かがみだった日と、休日にゆっくりした日では首、肩の緊張は変化します。

同じ時間に就寝していても、首肩の状態は日々違います
枕を買いに行き、「測定」してもらった日と、
仕事で疲れ切った週末とではおそらく「合う枕」は異なります。

「風邪」をひいた時に比べていただくとより首肩の状態の違いに気づかれると思います。

首、肩の状態に合わせた枕とは

日々の状態の変化に合わせて「枕」を複数もつ方もおられますが、数にも限界があり、あまり現実的な対策とは思えません。
そこで当院では「バスタオル」を使った「枕」の提案をしています。
枕の代わりにバスタオルを数枚用意します。丸めることはしません。

二つ折りにしていただき、数枚重ねて仰向けに寝てみます。
寝た時の首、肩の緊張具合やしっくりくる感覚を覚えておき、先ほどのバスタオルに一枚加えたり、減らしたりしてもう一度寝てみます。

低ければ枚数を増やし、多ければ減らします。枚数で調整するのも良いですし、折る回数を調整するのもいい方法です。それなりの幅をとられたほうが安定します。
日々、状態が違いますので、「実際に寝てみる」ことで高さを調整します。

バスタオル枕のメリット

  • 日々の状態に応じて高さを調整できる
  • こまめに洗濯できるので衛生的
  • 低反発枕に比べて通気性が良い
  • 家庭にあるものを使うので経済的
  • 旅行や、出張時のホテルでの枕に困らない(追加のバスタオルを借りる)

高級感はありませんし、最先端素材でもありませんが、日々の状態に合わせて自分で調整できるという点が最大の利点だと思います。
バスタオルは一般的な家庭にはありますので、高価な枕を購入される前に一度は試されることをお勧めしています。

状態別の枕の使い方

一般的には「仰向け」でお休みになる方は、前述のように枚数や折り方で調整をしていただきます。
「仰向け」で合う高さと、「横向き」で合う高さは違うことが多いです。
「横向き」の場合は、「仰向け」よりも高くされると、しっくりくる方が多いようです。
「横向き」は「坐骨神経痛、股関節痛、腰痛持ち」の方には腰に負担のかかりにくい姿勢です。その際は痛いほうを天井方向にしてください。

「逆流性食道炎」の方は、背中(肩甲骨の下あたり)から後頭部にかけてゆるやかな登り坂をつくるように大きめのバスタオル、シーツなどで傾斜を作られると「朝のムカムカ」が軽減されます。
胃酸の逆流を傾斜をつくることで防ぎます。上半身が少し床から浮いた感じとなります。

「五十肩」など肩関節疾患の方は、痛みが強いときは「痛いほうを上にした横向き」で抱き枕などをしていただくとよろしいかと思います。
「仰向け」の場合は、痛いほうの肩甲骨の下に薄く1.2枚バスタオル(折らずに)をひいていただくと、就寝時楽に眠れます。

就寝時の「枕」の使い方で、首肩への負担はかなり軽減されます。
院内で患者さんに試していただくと、タオル一枚の厚さでこれだけ違うものなのか」と驚かれます。低コストですので、ぜひお試しください。

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