肋間神経痛と鍼灸

「肋間神経痛」の患者さんは帯状疱疹によるもの以外では「骨折後の高齢者」
「産後の女性」が当院では多かったと記憶しています。

肋間神経痛とは

肋間神経痛とは背骨は頸椎、胸椎、腰椎、仙椎と分けられます。
「胸椎」から左右に広がり肋骨に沿って走行する神経を「肋間神経」といいます。

その神経を様々な原因で痛めた状態を「肋間神経痛」と呼んでいます。
「肋間神経」はその名の通り、肋骨と肋骨の間にあり、背中から脇腹、胸までつながっています。

そのため、神経の走行上である、背中、脇腹、胸に痛みを感じます。
痛めた部位によってはおへその方に広がることもあります。

肋間神経痛の症状

症状痛みの性状が特徴的で、患者さんは「ピリピリ」「ビリビリ」とした激しい痛みとおっしゃいます。「おもだるい」といった表現は聞きません。

肋骨に沿った痛みであり、右半身か左半身のどちらかの痛みを訴えます。特に「寝返り」のような胸椎をひねる動作で悪化し、咳・くしゃみが怖いといった方が圧倒的に多く、ベッドからの起き上がりでは痛みが再現されるため、恐怖感も強くなっています。

肋間神経痛の原因と検査

肋間神経痛の原因は外傷、打撲、捻挫、高齢者の変形性胸椎症、胸椎椎間板ヘルニア、
円背、圧迫骨折、腫瘍帯状疱疹などが原因と言われていますが、
明確な原因がわからない時もあるようです。

当院の患者さんのほとんどが来院前に、整形外科などで診察、検査されており、
レントゲン、MRIなどの検査で胸椎椎間板ヘルニアや骨折などを確認されています。

痛み止め・湿布を処方されていることが多いようです。

また帯状疱疹の時は、皮膚科、内科を受診され、皮疹を確認できます。治療が終了してまだ痛みが残るときに当院を利用されることがあります。一方で病院では異常はないとされながらも、痛みが残る方がお見えになることもあります。

病院受診と鑑別の重要性

このように「肋間神経痛」については、ほとんどの方が、病院を既に受診されてから当院に来院されているケースがほとんどです。

患者さんが病院を受診されてない場合は、外傷歴や骨折を疑うエピソードがある場合は整形外科に。背骨に負担のかかるエピソードがなく、過剰なストレスや過労、睡眠不足などのエピソードがあり、高齢者の場合は帯状疱疹の可能性を伝えて内科や皮膚科の受診を促しています。

帯状疱疹は痛みが先にあって、その後皮疹が出る場合があり、皮疹が出るまで待たずに早期に受診をお願いしています。一刻も早く病院を受診していただいたほうが、患者さんがつらい思いをする可能性が減るからです。

過去に当院では、鍼灸施術をする前に患者さんの病歴と痛みの性状から帯状疱疹を疑い、先に病院を受診していただいた方が2名おられました。
(当院では皮疹が確認できませんでしたが、病院受診時は皮疹が出始めていました、痛みと皮疹にタイムラグがあるようです)また「胸の痛み」は心臓などの循環器疾患の可能性もありますので、
先に病院を受診していただくことをすすめています。

肋間神経痛に対する鍼灸でのアプローチ

肋間神経痛と鍼灸

図のように肋間神経は背骨の際、胸椎の横からはじまり、
肋骨の間に沿って走行しています。

鍼灸ではこの胸椎の際、肋間神経の始まりの部位を施術の中心とします。

この部分には、表面には僧帽筋、その下に、脊柱起立筋である棘筋、胸最長筋、
さらに深部に外肋間筋があります。外肋間筋とさらに深部である
最内肋間筋の間に肋間神経があります。

緊張が強くなっている表面の僧帽筋から外肋間筋までを鍼や灸、電気ていしんを使って緩めていき神経の興奮を抑えていき、痛みを軽減することが目的となります。

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