過敏性腸症候群に対して鍼の有効性を研究した文献のご紹介(メタアナリシス)
Effectiveness of acupuncture to treat irritable bowel syndrome: a meta-analysis.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24587665
*自己学習も兼ねて、鍼灸の海外文献を紹介する記事です。
誤訳の可能性もありますので、原文での確認をお願いいたします。
過敏性腸症候群は数か月以上、便秘や下痢などを頻回に伴い、
腹痛などお腹の調子が悪くなる状態が続くものです。
排便後は楽になり、排便の回数の変化があり、便の性状も変化します。
鍼が過敏性腸症候群に有効かどうかを示したメタアナリシスを紹介いたします。
[目的]
過敏性腸症候群(IBS)に対する鍼の有効性を
ランダム化比較試験のメタアナリシスで評価すること。
[方法]
MEDLIINE、PubMed、Scopus、Web of Science、
Cochrane Central Register of Controlled Trialsから、
過敏性腸症候群の管理における鍼治療の有効性を調査した
1966年から2013年2月までの二重盲検、プラセボ対照試験を調査した。
[結果]
6つのランダム化プラセボ対照試験が基準を満たし、
メタアナリシスに含まれていました。
論文の改訂Jadadスコア#¹は> 3であり、
5つの記事は高品質であった
異質性#²を分析し、これらの研究がメタ分析において
異質性を引き起こさなかったことがわかった。
BeggのテストではP = 0.707、EggerのテストではP = 0.334となり、
メタアナリシスには出版バイアスはなかった
(Begg検定、P = 0.707; Egger検定、P = 0.334)
フォレストプロットからは、ひし形(◇)は垂直線の右側にあり、
交差しませんでした
鍼による臨床的改善のプールされた相対リスクは
1.75(95%CI:1.24-2.46、P = 0.001)であった
STATA11.0とRevman5.0の2つの異なるシステムを使用して、
我々は過敏性腸症候群の治療に対する鍼治療の有意な有効性を確認した。
[結論]
鍼は、過敏性腸症候群の臨床的及び統計的に有意なコントロールを示唆する
[読んでみて]
結論では過敏性腸症候群に対して、鍼は優位と示されています。
しかしながらフルテキストを読んでみると、まだまだ治療法の
第一選択としては不十分で、長期的な効果としては認められて
いないと最後に示されています。
その理由に過敏性腸症候群に対する鍼のメカニズムの不明な点や、
論文のサンプルサイズ、方法と期間の不一致などがあげられています。
#¹ Jadadスコア:臨床試験の質を評価するもの。3点以上で質が高いとされる
#² 異質性:メタ分析の解析結果の誤差、ばらつき